おちび（東京創元社） [電子書籍]

おちび（東京創元社） [電子書籍] の 商品概要

• 革命期のパリを舞台に大志を抱いた孤児が奮闘する物語。ひねりの利いた、身の毛もよだつ作品だが、読んだら決して忘れられない。その孤児はやがて王族とも急進派とも同様に友人となり、後に伝説のマダム・タッソーとなる。1761年、マリーというちょっと変わった容貌の小さな女の子がアルザスの小さな村に生まれた。両親の死後、彼女はいささか風変わりな蝋彫刻家の弟子となり、パリの裏通りにやってくる。そこでふたりは尊大で支配的な未亡人と内気でおとなしく蒼白いその息子と出会う。四人は、使い手のない「猿の館」を改装して蝋の顔を展示し、その見世物は一大センセーションを巻き起こす。マリーは芸術的才能を買われてヴェルサイユ宮殿に呼ばれ、王女の教師となり、出産で命を落としかねなかったマリー・アントワネットを救う。しかし宮殿の外では時代が動きだしていた。革命期の動乱のなか、民衆は王族の首を要求し……。ついに蝋人形館は……。エドワード・ケアリーの『おちび』は比類なき作品で、ひとつの世界を創ることになる「血に染まった小さな少女」の驚異の物語である。
  

• 目次

  その前　小さな村で
  第１章　わたしの誕生と両親の話
  第２章　グロショルツという家族
  第一部　一方通行の道
  第３章　母とわたしはたくさんの素晴らしいもの――紫檀のケースに入っているものもあった――に紹介され、わたしはふたり目の死を目撃する
  第４章　ひとりがふたりに
  第５章　外科医再訪
  第６章　たくさんの顔
  第７章　遠くの町
  第８章　厄介なのはどっち
  第二部　死んだ仕立屋の家
  第９章　初めて来た子供たち
  第10章　第二期の顔
  第11章　恐ろしい進歩
  第12章　パリ――ルイ＝セバスティアン・メルシエとの小さな旅
  第13章　閉め出される
  第14章　台所のふたりのエドモン
  第15章　二四四〇年の市民
  第三部　猿の館
  第16章　毛深い男
  第17章　猿の館
  第18章　夜の声
  第19章　第三期の顔
  第20章　外部が入り込んだ音
  第21章　陳列室は番犬を手に入れた
  第22章　わたしは教師になった
  第23章　ジャック・ボーヴィサージュ自身の物語
  第24章　大変重要な外出のこと
  第25章　わたしたちの最初の殺人者
  第26章　疼き
  第27章　いちばん新しい有名な顔
  第28章　新しい装い
  第29章　公示　コルネリ・ティクルの結婚
  第30章　わたしは見出された
  第四部　ヴェルサイユ宮殿の戸棚
  第31章　新しい主人との短い話し合いの後に宿泊所をあてがわれたこと
  第32章　わたしの小さな居場所
  第33章　エリザベート王女の側近というわたしの仕事について
  第34章　ヴェルサイユの錠前師
  第35章　マダム・エリザベートの気の毒な人々
  第36章　屋上で
  第37章　横たわる女と背筋を伸ばす女について
  第38章　小さな出来事が国家的事件へと繋がる
  第39章　召使いと王
  第40章　玩具とその主人について
  第41章　痛みはサン＝シール教会で見つかるはず
  第42章　マリーの作品　あるいは第四期の顔
  第43章　ヴェルサイユ宮殿にやって来たわたしの家族
  第44章　戸棚の扉を閉める
  第五部　民衆の宮殿
  第45章　出たり入ったり
  第46章　新しい始まり
  第47章　訪問
  第48章　張り紙禁止
  第49章　だれもが内側に
  第50章　蝋の顔が盗まれる
  第51章　クルティウス隊長のこと
  第52章　罪深い女
  第53章　ささいな痛み
  第54章　わたしは忙しい
  第55章　いくつかの恋物語
  第56章　家族の減少
  第57章　「おれの型を取ってくれ」
  第58章　何も感じない
  第六部　静かな館
  第59章　静かな通りの静かな館
  第60章　ジェイムズ・グレアム博士の天空のベッド
  第61章　第六期の首
  第62章　新しい商売
  第63章　エドモンとのおつきあい
  第64章　狩猟始め
  第七部　処刑待合室と見かけ倒しの家
  第65章　一室のなかの生と死
  第66章　砕かれた顎
  第67章　小さな悲しい名簿
  第68章　一本の骨もない
  第69章　Ａ・Ｍ・グロショルツの肖像（ルイ・ダヴィド作　革命暦三年）
  第70章　最後のフランス人
  第71章　二度と帰らない
  その後　故郷で
  第72章　第七期の顔
  謝辞
  フランス革命略年表
  訳者あとがき
  

おちび（東京創元社） [電子書籍] の商品スペック