ジプシー史再考（柘植書房新社） [電子書籍]

ジプシー史再考（柘植書房新社） [電子書籍] の 商品概要

• ジプシーとされたさまざまな人間集団の実体が科学的に解明されて、それが歴史学や社会学、文化人類学その他の学問的観点から本格的に考察されるようになったのは一九七〇年前後以降のことである。欧米で多くの調査と研究が蓄積されて「インド起源説」に根本的な疑問が投げかけられ、これを否定する新しい科学的なジプシー論が提起されるようになった。「パラダイムの転換」（イタリアのジプシー研究者ピアセーレ）とも評される展開である。しかし日本では、こうした新しい科学的な議論はほとんど顧みられることなく、いまに至るもグレルマン流の旧態依然たるジプシー論が横行している。（はしがきより）
  

• 目次

  はしがき
  序章　他者による歴史
  　一　空想的起源説
  　二　グレルマンの「インド起源説」と「正史」の形成
  第一章　バルカン半島にて
  　一　アトス山のアヅィンカニ
  　二　ビザンツ世界のエジプト人
  第二章　小エジプトから来た巡礼
  　一　最初の目撃証言
  　二　「ジプシーの黄金時代」
  第三章　排斥と迫害：中世から近世へ
  　一　「黄金時代」の終わり
  　二　ジプシー像の変化：「諸民族の人間の屑」
  第四章　グレルマンのジプシー論
  　一　グレルマン『ジプシー論』
  　ジプシー民族の特徴
  　インド起源
  　二　創造された民族、想像された原郷
  第五章　「高貴なる野蛮人」：ロマン主義のジプシー
  　一　ジョージ・ボロー：「ジプシー民俗の生き字引」
  　二　ボローのジプシー像
  第六章　世紀末の「ジプシー」大移動
  　一　新しい遊動民集団の登場
  　二　実体と起源：「移民の世紀」
  第七章　ナチス政権のジプシー政策
  　一　ナチス政権によるジプシー大虐殺（＝ポライモス）
  　二　ドイツにおけるジプシー規制の歴史
  終章　「正史」を超える
  　インド起源
  　カツィベロス（ザルつくり）
  あとがき
  主要参照文献一覧
  など
  

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