点と線の言語学(くろしお出版) [電子書籍]
    • 点と線の言語学(くろしお出版) [電子書籍]

    • ¥3,740748 ゴールドポイント(20%還元)
    • すぐ読めます
100000086601540536

点と線の言語学(くろしお出版) [電子書籍]

価格:¥3,740(税込)
ゴールドポイント:748 ゴールドポイント(20%還元)(¥748相当)
フォーマット:
専用電子書籍リーダアプリ「Doly」が必要です。無料ダウンロード
出版社:くろしお出版
公開日: 2022年02月07日
すぐ読めます。
お取り扱い: のお取り扱い商品です。
ご確認事項:電子書籍リーダーアプリ「Doly」専用コンテンツ

カテゴリランキング

こちらの商品は電子書籍版です

点と線の言語学(くろしお出版) [電子書籍] の 商品概要

  • 多くの面で対照的な英語と日本語の文法・意味・語彙・形態・表現法など言語構造の違いを、〈点(個)〉と〈線(つながり)〉という観点から整理しなおす。著者の過去50年近くの研究の集大成となる1冊。各章末尾に練習問題を附属。

    ■「はしがき」より
    人間にとって最も大切なのは人と人とのつながりであり,人と人とのつながりを促進するのが言語です。言語の役割はコミュニケーションだけではありません。言語は人類が発展するために必要な思考力や創造力を育みます。人間の言語は人類に固有の生物学的特性であると同時に,個々の言語社会・言語文化においてそれぞれの個性を生み出します。言語の研究は人間そのものの研究なのです。
    しかし,言語の研究といっても昭和から平成へと続いてきた〈縦割り式〉の手法を今後もそのまま受け継ぐのでは,学術的なブレイクスルーは期待できません。伝統的な国語学・日本語の研究は国内に狭く閉じこもりがちで,国際的な発信力に欠けました。また,日本語固有の研究テーマを追求するあまり,世界の言語研究の潮流に幅広く目を配ることもあまり得意ではありませんでした。
    このような状況に鑑み,私は2009年から2017年まで国立国語研究所の所長として,言語学出版で世界的に定評のあるドイツのMouton出版社と提携し日本語研究の多様な成果を国際発信する〈Handbooks of Japanese Language and Linguistics〉というシリーズを刊行しました。また,世界の最前線の言語研究を展望する,オックスフォード大学出版の〈Oxford Research Encyclopedia of Linguistics Online〉の編集顧問を委嘱され,日本語関係の国内外の様々な研究状況を世界に紹介する仕事にも携わりました。
    こういった活動を踏まえながら,本書では筆者が過去50年近くにわたって続けてきた研究を〈点〉と〈線〉という観点から整理し直しました。データ面では以前の発表論文を再利用したところが多いのですが,〈点〉と〈線〉という切り口による全体像の整理と解明はまったく新しい着想です。この考えは,個人という〈点〉を重視する英語社会と,人と人とのつながりという〈線〉を尊重する日本語社会の特徴を浮き彫りにするだけでなく,多くの面で対照的な英語と日本語の文法・意味・語彙・形態・表現法など言語構造の違いを際立たせるのにもピッタリの概念です。
    内容は専門的ですが,言語学と隣接分野を橋渡しする入門書として役立つように工夫をこらしました。各章の末尾には練習問題も付けています。

    (1)専門的な研究から言語学初心者への橋渡し[特殊な用語を避ける]
    (2)日本語研究と英語学・言語学との橋渡し[日本語を世界諸言語の中で捉える]
    (3)海外の研究と国内の研究の橋渡し [国際的な文献を多く引用]
    (4)昭和・平成の研究から令和以降の研究への橋渡し[過去の主要な成果の取りまとめ]
    (5)言語の研究から文化の研究への橋渡し[少しだが言語文化にも触れる]

    本書が橋渡しとなって様々な分野が将来的に連携し,言語と人間社会を包括した研究へとつながることを願っています。
  • 目次

    第1章 言語の中の〈点〉と〈線〉とは
    ―日英語の対照研究を超えて―
    1.1 本書の目指すところ
    1.2 言語類型論と日本語
    1.2.1 語形に基づく言語類型
    1.2.2 〈する〉対〈なる〉の日英語対照研究
    1.3 言語類型のパラメータとしての〈点〉と〈線〉
    1.3.1 言語の中の〈点〉と〈線〉
    1.3.2 形の〈線〉と意味の〈線〉
    1.4 本書の構成
    理解を深めるために

    第2章 言語文化と語用論の〈点〉と〈線〉
    ―個を重視する英語とつながりを尊ぶ日本語―
    2.1 日英語の発想と表現法 
    2.2 〈線的〉なつながりを尊重する日本語文化
    2.3 語用論における〈点〉と〈線〉
    2.3.1 対人関係と丁寧さ
    2.3.2 代名詞,指示詞,「行く,来る」動詞
    2.3.3 感謝と謝罪
    2.4 〈点〉から〈線〉を作る日本語
    2.4.1 右方向への〈線〉の伸長
    2.4.2 左方向への〈線〉の伸長
    2.4.3 〈線〉の切り取り
    理解を深めるために

    第3章 アスペクト意味論の〈点〉と〈線〉
    ―出来事の丸ごと把握と段階的把握―
    3.1 事象の捉え方とアスペクト
    3.1.1 事象の構造と時間情報
    3.1.2 パーフェクティブな事象把握とインパーフェクティブな事象把握
    3.2 動詞(句)のアスペクト
    3.2.1 金田一(1950)とVendler (1967)
    3.2.2 日英語の状態動詞と進行形
    3.3 「燃やしたけれど燃えなかった」構文
    3.4 移動の構文と英語の着点指向
    3.4.1 移動動詞と経路の概念
    3.4.2 移動様態動詞と着点
    3.4.3 中間経路と着点を橋渡しする前置詞to
    3.5 移動の構文と日本語の中間経路指向
    3.5.1 目的語としての中間経路
    3.5.2 中間経路と「東京まで寝ていた」構文
    理解を深めるために

    第4章 構文論における〈点〉と〈線〉
    ―結果重視の英語と過程重視の日本語―
    4.1 事象の捉え方と構文
    4.2 状態の変化と結果構文
    4.2.1 英語の結果構文
    4.2.2 日本語の結果構文
    4.3 物の授受と二重目的語構文
    4.3.1 英語の二重目的語構文
    4.3.2 日本語の二重目的語構文
    4.4 受身文における主語と動作主のつながり
    4.4.1 英語の受身文と日本語の受身文
    4.4.2 直接受身文と間接受身文
    4.4.3 動作主マーカーとしての「に」の性質
    4.4.4 状態変化の受身文
    4.4.5 主語とニ格名詞句の〈線的〉なつながり
    4.5 動詞の自他交替と主語の選択
    4.5.1 事象認識のパターンと自他交替の形態
    4.5.2 自動詞から他動詞への使役化
    4.5.3 他動詞から自動詞へ(I)―日英語に共通の反使役化―
    4.5.4 他動詞から自動詞へ(II)―日本語特有の脱使役化―
    理解を深めるために

    第5章 動詞から右方向への〈線〉の展開
    ―レキシコンと膠着的な述語連鎖の仕組み―
    5.1 日本語レキシコンの基礎
    5.1.1 語彙層―和語,漢語,西洋語,オノマトペ―
    5.1.2 品詞―動名詞と形容名詞を中心に―
    5.1.3 接辞,接語,附属語
    5.2 レキシコンにおける述語形成の仕組み
    5.2.1 連結型と非連結型の語形成
    5.2.2 「事故る」型の動詞の特殊性
    5.2.3 レキシコンで作られる動詞の性質
    5.3 文構造における述語形成の仕組み
    5.3.1 文構造で作用する述語要素
    5.3.2 文構造における述語要素の順序
    5.4 述語連鎖における活用と屈折の役割
    理解を深めるために

    第6章 出来事の展開を〈線〉につなげる補助動詞群
    ―動詞の文法化と意味の機能化―
    6.1 動詞と補助動詞と助動詞
    6.2 アジア諸言語の補助動詞
    ほか

点と線の言語学(くろしお出版) [電子書籍] の商品スペック

Cコード 3080
出版社名 くろしお出版
本文検索 不可
紙の本のISBN-13 9784874248751
他のくろしお出版の電子書籍を探す
ファイルサイズ 123.1MB
著者名 影山 太郎
著述名 著者

    くろしお出版 点と線の言語学(くろしお出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

    商品に関するご意見やご感想、購入者への質問をお待ちしています!