なぜコリアンは大久保に集まってくるのか（柘植書房新社） [電子書籍]

なぜコリアンは大久保に集まってくるのか（柘植書房新社） の 商品概要

• 「在日朝鮮人の形成とその活動」に関する研究は、日本人の行ってきた植民地支配、民族差別への反省を促し、自らの尊厳の回復を企画するものとして進められてきた。従って、そこでは、日本帝国主義が朝鮮人に加えた直接的な暴力や迫害とそれに抗しながら続いた先鋭的な民族運動の発掘が先行した。だが、その後は、（1）移動の実態、背景と統制、（2）社会運動と統合政策、（3）関東大震災時の朝鮮人虐殺事件など、かつての在日コリアンに関する運動史や政策史研究が進む一方で、それら以外の分野の研究も増え、たとえば、（4）生活と文化に関する社会史的研究も増加してきている。
  ところが、そうした中で、「日本における在日韓国・朝鮮人の経済活動」に関する研究は未だに活発ではない。【中略】
  そこで、本書では、在日コリアンの産業経済史研究に対する分析をより深めるという趣旨のもと、経済学の「道具」を用いて、さまざまな「質問」に「答える」といったスティーヴ・D・レヴィットの研究方法を採用し、在日コリアンのさまざまな「質問」に迫って行く。（序章より）
  

• 目次

  第1章　なぜ朝鮮人は日本に渡ってきたのか?
  　はじめに
  　1　都市と地方の間における労働配分
  　2　朝鮮農業の破綻
  　3　失業者問題
  　4　朝鮮人の来日
  　おわりに
  第2章　どうしてコリアンが日本で女工として働くようになったのか?
  　はじめに
  　1　岸和田紡績株式会社および朝鮮人女工
  　2　朝鮮人女工雇用の動機
  　おわりに
  第3章　なぜ在日コリアンが全国に存在するのか?
  　はじめに
  　1　戦前における在日コリアンの移動
  　2　戦後における在日コリアンの移動
  　おわりに
  第4章　「在日企業」の日本経済への貢献：（株）草家を事例に
  　はじめに
  　1　（株）草家について
  　2　（株）草家の経営状況
  　おわりに
  第5章　「在日企業」は「悪」ではない：安楽亭を事例に
  　はじめに
  　1　概要
  　2　キャピタル・サイド（capital side）
  　3　ヒューマン・リソース・サイド（human resources side）
  　4　合理化
  　5　クライシス：BSE事件
  　おわりに
  第6章　在日コリアンの家計簿
  　はじめに
  　1　K氏のライフ・ヒストリー
  　2　「在日」家計簿の内訳
  　3　なぜ在日の就職は厳しかったのか？
  　4　なぜK氏の年金額は少額なのか
  　5　なぜ彼女は帰化しなかったのか、そして、どうして彼女はまだ借家暮らしなのか
  　おわりに
  第7章　なぜコリアンは大久保に集まってくるのか？
  　はじめに
  　1　新大久保コリアンタウンの歴史
  　2　A食堂とB食堂との比較分析
  　おわりに
  第8章　在日企業家像：パチンコを変えた男 韓裕
  　はじめに
  　1　先駆者：韓昌祐
  　2　第二の飛躍：韓裕の登場
  　3　上洛：「渋谷戦略」
  　4　逆転そして反撃
  　5　組織改編
  　おわりに
  終章
  

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