免許の届けが通らなかった直し屋ですが、共布で値をつけたら、古着屋の主人が雨の日も晴れの日も筵を下ろしておいてくれます(Realize出版) [電子書籍]
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免許の届けが通らなかった直し屋ですが、共布で値をつけたら、古着屋の主人が雨の日も晴れの日も筵を下ろしておいてくれます(Realize出版) [電子書籍]

価格:¥913(税込)
ゴールドポイント:183 ゴールドポイント(20%還元)(¥183相当)
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出版社:Realize出版
公開日時:2026年08月21日00:00:00からお読みいただけます。
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免許の届けが通らなかった直し屋ですが、共布で値をつけたら、古着屋の主人が雨の日も晴れの日も筵を下ろしておいてくれます(Realize出版) の 商品概要

  • 同じ一枚でも、当て布で直せば三百二十文、共布で直せば四百二十文になる。その百文が誰のものなのかを、庵原巧は二十五になるまで考えたことがなかった。月極めの手間賃で働いていれば、どちらに直しても自分の取り分は同じだからだ。
    庵原巧、二十五。十五で針を持ってから十年、四年前から烏丸の古着屋の裏の仕事場で請けをしている。腕は悪くない。悪くないのに三軒の店を移った。移るたびに、そこでやった仕事が全部誰かのものになった。この街の古着組合の免許は、届けの段に第二性の欄がある。男でもオメガと書けば通らない。禁じられてはいない、ただ通ったことがない、というだけである。
    烏丸拓真、三十三。二十で店に入って十三年、六年前に師匠から代を継いだ。滑らかに話す男で、値の話になると急に平坦になる。ある日、薬種屋の蔵から仕入れた三十七枚を丸ごと庵原に任せ、選り分けも捨てる判断も全部やれと言った。組合の肝煎は掟の第十一条を諳んじにくる。買い取りの可否および値の決定は、免許を有する組合員本人がこれを行う。
    そして雨の日、母親を三日前に亡くした十五の娘が、藍の二度染めの単衣を売りに来る。人別に名がないから買い取れない。質屋なら六十文だと言われて、娘は帰る。庵原が追いかけて、自分の取り分の残り二百四十文を手間賃の前渡しにして単衣を預かった翌日から、店の筵は毎日下ろしてある。雨の日も晴れの日も下ろしてある。
    掟は全四十三条ある。烏丸は寄合所へ行って丸一日かけて全部写してきて、第二十九条を指す。預かり直しの札は、持ち込みたる者の名を記して発行す。ここには「人別の」と書かれていない。肝煎は札を台の縁で二つに折る。烏丸は店を閉める。損は日に三貫、上限は九十貫。
    二十六日のあいだ毎日あの広間へ行って、毎日突き返されて、それでも二十七日目にこの人は立って、自分の間違いから話しはじめる。師匠は店を落として人を助けようとしました。私は、人を落として店を守りました。どちらも間違いです。ですが、私のほうが悪い。
    値札帳の右端には、値決めの欄がある。名前というのは、渡されて受け取るものではない。呼ばれて、返事をしてしまうものである。初春から初冬まで、坂の途中の古着屋の一年。オメガバースBL・全10章完結。

免許の届けが通らなかった直し屋ですが、共布で値をつけたら、古着屋の主人が雨の日も晴れの日も筵を下ろしておいてくれます(Realize出版) の商品スペック

出版社名 Realize出版
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著者名 雪村すばる
著述名 著者

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