紙漉き十市(二) 宿場の紙問屋に一枚も買わぬと言われましたが、借りた蔵で濡れても読める荷札を漉いたら、飛脚問屋の荷方が毎日取りに来ます(Realize出版) [電子書籍]
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紙漉き十市(二) 宿場の紙問屋に一枚も買わぬと言われましたが、借りた蔵で濡れても読める荷札を漉いたら、飛脚問屋の荷方が毎日取りに来ます(Realize出版) [電子書籍]

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出版社:Realize出版
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紙漉き十市(二) 宿場の紙問屋に一枚も買わぬと言われましたが、借りた蔵で濡れても読める荷札を漉いたら、飛脚問屋の荷方が毎日取りに来ます(Realize出版) の 商品概要

  • 楮ヶ谷村の紙が、村の者の書いた値で動きはじめて一年。けれども村から外へ出る道は一本しかない。峠を越えた六斗宿に、七十年ものあいだ一手で紙を扱ってきた紙問屋・樽井屋がある。
    須賀十市、二十八。三太と二人で紙を六百枚担いで峠を下り、樽井屋の帳場に座る。壁の札には中判並が一枚八文、中判厚手が十二文、半紙が六文と書いてある。ところが帳面を覗くと、同じ紙に値が二つ並んでいた。現銀で払う者と、掛けで買う者。八文と十文、六文と八文。その差はどこへ行ったのか。全部買い上げると言う樽井屋惣兵衛に十市が首を横に振ると、惣兵衛は言った。ならばうちは、あんたの紙を一枚も買いません、と。
    十市が借りたのは柏屋の裏の空き蔵。月に八百文。北の壁を直し、杉板と竹釘で漉き舟を組むところから始める。目を付けたのは紙そのものではなく、飛脚問屋・梶屋の荷札だった。雨に濡れると字が読めなくなる。読めなくなった荷は取り違えられる。女将の佐久の帳では、去年の取り違えが四十二度、弁済が十二貫六百文。寒晒し、塵取り、叩解、漉き。十日かけて、十市は濡れても字の残る中判厚手を四百枚漉いた。注文はない。注文のないまま、梶屋の台へ置いてくる。
    宇津木千枝、二十五。樽井屋の赤茶の帳面の写しを許され、六斗宿で八文、三ツ屋で十文、音無で十二文と、宿場ごとに掛け値の幅が違うことを突き止める。その幅がどこへ落ちているのかを、千枝は三月という期限と利率で計算し直し、通りのまん中で読み上げる。
    十九日で一度まで取り違えが減ったころから、宿場の荷方が毎日、蔵へ荷札を取りに来るようになった。十市は買う側にも書かせる。この紙は何年もてばいいか。いくらまで出すか。旅籠の宿帳は三十年、酒屋の通い帳は五年、質屋の質札は二年、手習いの紙は一年。六軒ぶんの答えが一冊に綴じられ、「六斗宿 紙の帳」と名がつく。やがて蔵の賃が三倍になり、十市は宿場の外れの河原へ移った。屋根と片側の壁しかない漉き場を、宿場の者が手を貸して建てる。
    値の欄が二つある帳面を、一つにするまでの半年。
    【紙漉き十市 全十巻】一~四巻=村と領内/五~七巻=都と国/八~十巻=国の外。本巻は第一部の二冊目です。

紙漉き十市(二) 宿場の紙問屋に一枚も買わぬと言われましたが、借りた蔵で濡れても読める荷札を漉いたら、飛脚問屋の荷方が毎日取りに来ます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 紙漉き十市
出版社名 Realize出版
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著者名 帆足いさな
著述名 著者

    Realize出版 紙漉き十市(二) 宿場の紙問屋に一枚も買わぬと言われましたが、借りた蔵で濡れても読める荷札を漉いたら、飛脚問屋の荷方が毎日取りに来ます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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