紙漉き十市(七) 公儀の触書で四等に置かれましたが、等級の外で漉きつづけたら、国じゅうの漉き手が日に二人三人、板の書きかたを聞きに来ます(Realize出版) [電子書籍]
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紙漉き十市(七) 公儀の触書で四等に置かれましたが、等級の外で漉きつづけたら、国じゅうの漉き手が日に二人三人、板の書きかたを聞きに来ます(Realize出版) [電子書籍]

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出版社:Realize出版
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紙漉き十市(七) 公儀の触書で四等に置かれましたが、等級の外で漉きつづけたら、国じゅうの漉き手が日に二人三人、板の書きかたを聞きに来ます(Realize出版) の 商品概要

  • 都の四つ辻には、値の札が立ちつづけている。数は日によって上下するけれども、去年の秋から下は五十を割っていない。十市の板もその中にある。杉の板に十二と書いて、朝のうちに土へ刺す。刺すのは千枝の役で、抜くのも千枝の役だった。
    睦月十日、紙改め所の門前に人が並ぶ。三十一人。読み上げられたのは、公儀の触書である。国じゅうの紙、これを五等に分かつ。等級ごとに値を定む。等級の外なる紙、売買を許さず。一等が一帖二十文、二等十六文、三等十二文、四等八文、五等五文。
    東岸の紙は、四等だった。
    須賀十市、三十三。宇津木千枝、三十。千枝は五年をかけて、国じゅうの紙の見本を桐の箱に集めてある。四百枚。数えてみると、一等が三枚、二等が二十五枚、三等が五十二枚、四等が百七十二枚、五等が百四十八枚。下の二つで八割である。国の紙のほとんどが、下の二つに置かれていた。
    十市は触書の紙を一枚もらい受け、その下にある四分の余白へ、墨で「十二」と書いた。三十年変わっていない余白である。書き添えられた触書は、改め所の下役・尾関又七の手で持ち帰られ、綴じるか捨てるかを彼が一晩考える。
    六斗宿では、その一枚を貼るか剥がすかで宿場が割れた。剥がせと命じた紙改役・曲淵監物、四十六。人を名ではなく等級で呼ぶ男である。
    皐月、二枚目の触書が出た。書き添えは禁ずる。ところが彫り直された版木の余白は、四分から八分に増えていた。四つ辻の札は四十九から四十六へ減り、それから五十四、六十三、七十一と戻っていく。国じゅうで自分の値を書き添えた者の数は、二百十四から三百七になった。千枝はその二つの数のあいだに、線を引かない。
    文月、十市は改め所へ呼ばれる。おまえの紙を一等の新しい見本にしてもよい、と曲淵は言った。二十文である。十市は断った。断って外へ出ると、断ったものの大きさが、ようやく重さになって手に載ってきた。三貫七百十文。皮を四貫買って、板を五枚新しくして、それでもまだ余る額である。
    等級の外という場所が、どこにあるのかを言い当てるまでの一年。
    【紙漉き十市 全十巻】一~四巻=村と領内/五~七巻=都と国/八~十巻=国の外。本巻は第二部の三冊目、第二部の締めくくりです。

紙漉き十市(七) 公儀の触書で四等に置かれましたが、等級の外で漉きつづけたら、国じゅうの漉き手が日に二人三人、板の書きかたを聞きに来ます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 紙漉き十市
出版社名 Realize出版
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著者名 帆足いさな
著述名 著者

    Realize出版 紙漉き十市(七) 公儀の触書で四等に置かれましたが、等級の外で漉きつづけたら、国じゅうの漉き手が日に二人三人、板の書きかたを聞きに来ます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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