子買い納屋 二の巻 三人を村の外へ出せと申し渡された女ですが、村の粥屋で炊く側に立ちつづけたら、年寄が朝と夕に一度ずつ触れ板を読んでくれます(Realize出版) [電子書籍]
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子買い納屋 二の巻 三人を村の外へ出せと申し渡された女ですが、村の粥屋で炊く側に立ちつづけたら、年寄が朝と夕に一度ずつ触れ板を読んでくれます(Realize出版) [電子書籍]

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出版社:Realize出版
公開日時:2026年08月19日00:00:00からお読みいただけます。
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子買い納屋 二の巻 三人を村の外へ出せと申し渡された女ですが、村の粥屋で炊く側に立ちつづけたら、年寄が朝と夕に一度ずつ触れ板を読んでくれます(Realize出版) の 商品概要

  • 正月十一日、岩舟村の寄合所に六十五戸から一人ずつ出た。年寄の頭ヤスヅカが四十年掲げてきた村極めを諳んじる。──養い子は、一戸に四人を限りとす。柏木の里の納屋には養い子が七人いる。では、三人だ、とヤスヅカは言った。
    ヨネ、二十五。十六の年から拾いはじめて九年になる。夫役の割りでは十二のタケが「十二では、一人と数えられん」と半人に落とされ、納屋は一人と半人の戸として書き出された。
    正月十五日、触れ板が立つ。出し先は寺と人宿と他村の三つ、と言われている。だが数えれば実は二つしかない。ヨネは寄合所の板の間へ上がって、それを数で詰めた。土間から声が飛ぶ。そんなもの、子買いに言わせておいたらきりがない。──子買いのヨネが、買いました。代は銭ではない。九年である。七人ぶんを足せば三十一年と半年になる。
    二月、タケに畝を八本渡した。東の端の痩せた側で、この子は朝と夕の二度上がって草を取り、土を寄せた。二十日の晩、藁を四束半燻して霜を止めにかかったが、段の崩れた東の端から煙が落ちて抜けた。明け方に霜が下りた。八本の穂が黒くなり、摘んで掌で開くと中は空だった。私が間違えた、とヨネは言った。
    二月の末、村の粥屋。ヨネは十六の年から毎年ここに立っている。もらう側で来たことは一度もない。この日の列は八十四人で、去年より三十二人多かった。粥屋を出ると、脇に小さい板が掛かっていた。柏木、子買い。書き出されているあいだは、蕎麦の種も、水の順番も、葬いの人手も止まる。
    三月、堤の土持ちが南風で止んだ帰り道に、触れ板が倒れていた。折れたのは板ではなく、根元の腐った杭のほうだった。ヤスヅカの孫クロウと二人で板を十四枚に割り、焼いて灰にする。この十六の若者は、七つのときから毎朝一枚ずつ祖父の口述を写してきた。写してきた者だけが、写し違いに気づける。
    四月四日、ヨネは初めて萩野のヤスヅカの家に上がる。棚の上の桐の箱には、四十年前の紙が入っている。一戸に四人、というその四字が、もとの紙では何と書いてあったのか。
    掟を四十年掲げてきた手が、自分の手を疑うまでの三月。
    【子買い納屋 全十巻】一~四巻=里と村と宿場と郡/五~七巻=領と隣領と王都/八~十巻=公儀と国境と、その一語。本巻は第一部の二冊目です。

子買い納屋 二の巻 三人を村の外へ出せと申し渡された女ですが、村の粥屋で炊く側に立ちつづけたら、年寄が朝と夕に一度ずつ触れ板を読んでくれます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 子買い納屋
出版社名 Realize出版
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ファイルサイズ 1.8MB
著者名 更科ひばり
著述名 著者

    Realize出版 子買い納屋 二の巻 三人を村の外へ出せと申し渡された女ですが、村の粥屋で炊く側に立ちつづけたら、年寄が朝と夕に一度ずつ触れ板を読んでくれます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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