子買い納屋 三の巻 人宿の主に同じ商売だと言われた女ですが、裏の小屋の四人の泊まり賃を払ったら、下働きの女が毎晩その日の宿賃を足していきます(Realize出版) [電子書籍]
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子買い納屋 三の巻 人宿の主に同じ商売だと言われた女ですが、裏の小屋の四人の泊まり賃を払ったら、下働きの女が毎晩その日の宿賃を足していきます(Realize出版) [電子書籍]

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出版社:Realize出版
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子買い納屋 三の巻 人宿の主に同じ商売だと言われた女ですが、裏の小屋の四人の泊まり賃を払ったら、下働きの女が毎晩その日の宿賃を足していきます(Realize出版) の 商品概要

  • 五月九日。ヨネは莚を二十枚編み、そのうち戻りの悪い三枚を弾いて、残る十七枚を三枚重ねに縛った。莚は藁を打ってから編む。一日に一枚半が限りで、それ以上編むと手のひらの皮が裂ける。裂けると三日休むことになる。十三のタケと二里の道を宿場まで運び、荒物屋の大坂屋で一枚十四文、〆て二百三十八文で売った。
    その帰りに、人宿の柊屋の軒下で、下男が濡れた帳面を干していた。宿場の三軒の人宿は、抱えている人の数を月ごとに問屋場へ届ける決まりになっている。柊屋の帳の終わりのほうに、こう書いてあった。──柏木、納屋。子、七人。〆は三十一人である。
    帰り道の井戸端で、女が二人、聞こえるように言った。柏木の、子買いさ。
    五月十二日、ヨネは一人で柊屋の土間に立つ。主のタキナミは五十を越えていて、膝が悪い。この男は宿賃八文しか出せない男を「なら泊められん」と断り、そのあとでヨネに言った。あんたとわしは、同じ商売だ。わしの帳に載っとる者は、みな売り物だ。──子買いのヨネが、買いました。代は銭ではない。一人に一日、二合二勺の麦を十年払った。それが代だ。
    六月の長雨で橋が落ち、宿場に人と荷が二百人ぶん滞った。板塀の隙間からヨネが見たのは、柊屋の裏の小屋だった。板戸に横木を渡し、縄で縛ってある。中に四人いる。ゲン十三、サキ十一、トヨ九つ、イト七つ。宿賃を払えない子は板の間へ上げられない。上げると、払った客と同じ扱いになるからである。溜まりは一晩十二文ずつで、下働きのヌカが毎晩、寝る前に足している。
    七月二日、ヨネは莚四十五枚と苧三貫目とタケの賃を担いで宿場へ行き、四人の百四泊ぶんを自分の名で払った。タキナミは泊まり帳にヨネの名を書き、その下にもう三字書き足した。買い主。
    この欄に名が入ると、裏にも書く。裏に何を書くのかは、その日は教えてもらえなかった。
    タケがこの春、宿場の荷運びで初めて自分の手で稼いだ二十文を、納屋の柱の節の抜けた窪みに残していたことを、ヨネはこの日に知る。
    二十年前に自分でその欄を作った男が、自分の手でその欄を消すまでの、ひと夏とひと秋。
    【子買い納屋 全十巻】一~四巻=里と村と宿場と郡/五~七巻=領と隣領と王都/八~十巻=公儀と国境と、その一語。本巻は第一部の三冊目です。

子買い納屋 三の巻 人宿の主に同じ商売だと言われた女ですが、裏の小屋の四人の泊まり賃を払ったら、下働きの女が毎晩その日の宿賃を足していきます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 子買い納屋
出版社名 Realize出版
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ファイルサイズ 1.8MB
著者名 更科ひばり
著述名 著者

    Realize出版 子買い納屋 三の巻 人宿の主に同じ商売だと言われた女ですが、裏の小屋の四人の泊まり賃を払ったら、下働きの女が毎晩その日の宿賃を足していきます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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