子買い納屋 四の巻 帳外れの子は居ないものと扱えと言われた女ですが、雪の尾根を越えて名を集めたら、郡の下役が毎日、夜の潜り戸を開けてくれます(Realize出版) [電子書籍]
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子買い納屋 四の巻 帳外れの子は居ないものと扱えと言われた女ですが、雪の尾根を越えて名を集めたら、郡の下役が毎日、夜の潜り戸を開けてくれます(Realize出版) [電子書籍]

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出版社:Realize出版
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子買い納屋 四の巻 帳外れの子は居ないものと扱えと言われた女ですが、雪の尾根を越えて名を集めたら、郡の下役が毎日、夜の潜り戸を開けてくれます(Realize出版) の 商品概要

  • 初冬。柏木の里から一里半ある郡の役所へ、ヨネは初めて足を運んだ。門番の帳面には女の名を書く欄がないというので、名主の久兵衛の名の下に「同」と一字だけ書かれた。
    郡中人別改めの触れが出た。人別方のセバタが読み上げる。郡中の人別、二千四百六十一人。二十年前は二千八百九十一人。四百三十人減った。柏木の里の番でセバタはこう読んだ。──納屋、ヨネ、二十七。同居、タケ、十四。同居、スゲ、十一。以上三名。ヨネは立って言った。七人いる。
    帳面に載っている者を人別と呼ぶ。載らぬ者は人別ではない。載らぬ者は帳外れと呼ばれ、その日の昼過ぎ、セバタは三つを申し渡した。年内の書き上げには帳外れを書くな。救米は出ぬ、米は行の数で割る。──居ないものとして扱う。それが人別方の扱いだ。居ないものとして扱うのであって、居ないと申しておるのではない。
    ヨネは問屋場と寺から反故を集めて裂き、一人に一枚ずつ、名と歳と来た日と来た所と渡した銭を書いた。役所へ持っていくと、下役のヒロマサは見たうえでこう言った。見ましたので、受け取れませぬ。要るのは三つ。名主の判と、生国と、親の名である。
    郡には村が二十八ある。門前の列で訊いて回ると、八つの村だけで帳外れの子が三十四人いた。ヨネは十二月の朔日から雪の尾根を越えて村を回りはじめる。一度目は断られる。二度目は黙る。三度目に、家の中の誰かが先に言う。正月四日、七日市村の辻の石に登って、ヨネは自分から名乗った。
    二月十日、六十二枚を持って役所へ行った日の八つ前、書物の間から火が出た。焼け残りを雪の上へ押し出したとき、右の袖が焦げた。十二束のうち七束が焼け、一束二十三枚が雪の窪みに落ちて濡れた。一晩置くと読めなくなる、とヒロマサが言った。
    郡の人別帳は二百八十枚あり、一枚に十行ずつで二千八百行になる。人別は二千四百六十一人。差し引くと、三百三十九行がずっと白いまま残っている。
    帰りぎわ、門番の佐平が言う。潜りは開けとく。
    人別改めの期日は二月の晦日。本日を入れて、百と一日。
    【子買い納屋 全十巻】一~四巻=里と村と宿場と郡/五~七巻=領と隣領と王都/八~十巻=公儀と国境と、その一語。本巻は第一部の四冊目、第一部の締めくくりです。

子買い納屋 四の巻 帳外れの子は居ないものと扱えと言われた女ですが、雪の尾根を越えて名を集めたら、郡の下役が毎日、夜の潜り戸を開けてくれます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 子買い納屋
出版社名 Realize出版
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ファイルサイズ 1.7MB
著者名 更科ひばり
著述名 著者

    Realize出版 子買い納屋 四の巻 帳外れの子は居ないものと扱えと言われた女ですが、雪の尾根を越えて名を集めたら、郡の下役が毎日、夜の潜り戸を開けてくれます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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