子買い納屋 六の巻 願いの筋にならんと追い返された女ですが、川下の淀みに杭を打ったら、里の十四戸が翌る日にはまた戸口へ稗を置いていきます(Realize出版) [電子書籍]
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子買い納屋 六の巻 願いの筋にならんと追い返された女ですが、川下の淀みに杭を打ったら、里の十四戸が翌る日にはまた戸口へ稗を置いていきます(Realize出版) [電子書籍]

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出版社:Realize出版
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子買い納屋 六の巻 願いの筋にならんと追い返された女ですが、川下の淀みに杭を打ったら、里の十四戸が翌る日にはまた戸口へ稗を置いていきます(Realize出版) の 商品概要

  • 晩夏の朝、渡しの船頭カネ蔵の呼ぶ声で、ヨネは中州の葦の根方に流れ着いた四つばかりの男の子を引き上げた。腹に痣が三つある。中州で拾ったので、名はナカにした。帳面に二十七人目と書かれた。
    上の領は去年の凶作で、年貢が繰り延べにならなかったという。
    舟賃六文を払って川の中ほどを越え、ヨネは隣領の代官所へ行った。門番は言った。訊きに来た者は、願いの筋にならん。代官のオカベは理屈を積み上げて話す男で、途中で口を挟ませない。属さない者を作ると来年の人別で数が合わなくなる。数が合わないと郡の割りが崩れる。だから引き取らん。──下の郡の川端に、流れ子を買い集める者がいると聞いている。ヨネはその日、商いの名を名乗らずに引き下がった。
    隣領の三つの村を歩いた。村の蔵は十七戸に十二俵しかなく、そのうち四俵は種籾である。中坪の触れ板に貼られた紙は、下の端が刃物で横一文字に切り落とされ、名を書く場所だけが消えていた。上坪の総代には帰れと言われ、二度と来るなと言われ、背中に一語を投げられた。
    ヨネはタケに、川の淀みの読みかたを教えた。葦の倒れる向き、石の苔、水の巻き。中州、柳の瀬、石原の曲がり。タケは川下の三箇所に番を立て、鉦と板木の打ちかたを決めた。一つ打ちが来た、二つが生きてる、三つが人手が要る。四つは決めなかった。
    三日の雨で水が三尺上がり、常の三箇所が全部沈む。その日、四人を引き上げて、五人目には二間届かなかった。ヨネは拾えなかった一人も帳面に書かせた。日と、所と、拾えなかった、と。
    隣領の百姓キサブロウが訊いてくる。あんた、十一年前に、この川下で、子を拾いなさったか。帳面のその行は、預けた先の欄だけが十一年空いている。
    隣領の百姓キサブロウが、明六つに橋を渡り、一里半を歩いて納屋へ来る。稗は返せません、じゃから、働きに来ました、と言う。
    柳の根の股は二尺開いていて、二尺より長いものは必ずそこで止まる。ヨネは砂に杭を一本打った。ここに着く、という印だった。
    下ばかり数えていた、と気づくまでの、ひと秋とひと冬。
    【子買い納屋 全十巻】一~四巻=里と村と宿場と郡/五~七巻=領と隣領と王都/八~十巻=公儀と国境と、その一語。本巻は第二部の二冊目です。

子買い納屋 六の巻 願いの筋にならんと追い返された女ですが、川下の淀みに杭を打ったら、里の十四戸が翌る日にはまた戸口へ稗を置いていきます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 子買い納屋
出版社名 Realize出版
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著者名 更科ひばり
著述名 著者

    Realize出版 子買い納屋 六の巻 願いの筋にならんと追い返された女ですが、川下の淀みに杭を打ったら、里の十四戸が翌る日にはまた戸口へ稗を置いていきます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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