子買い納屋 八の巻 拾った者の名を書くなと法で禁じられた女ですが、反故を裂いて百四十の里へ配ったら、里の者が日に二枚か三枚ずつ持ってきます(Realize出版) [電子書籍]
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子買い納屋 八の巻 拾った者の名を書くなと法で禁じられた女ですが、反故を裂いて百四十の里へ配ったら、里の者が日に二枚か三枚ずつ持ってきます(Realize出版) [電子書籍]

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出版社:Realize出版
公開日時:2026年08月24日00:00:00からお読みいただけます。
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子買い納屋 八の巻 拾った者の名を書くなと法で禁じられた女ですが、反故を裂いて百四十の里へ配ったら、里の者が日に二枚か三枚ずつ持ってきます(Realize出版) の 商品概要

  • 四月、公儀が人別法を定めた。読めないヨネは、読み上げられるのを聞きながら行を数えた。十二行あった。配られた届け出の書式も、同じ十二行だった。
    その一、捨て子これを拾いたる者、以後、己が名をもって届け出ずべからず。その二、届け出なき子、寺または院に限りこれを預くべし。里方の家これを預かるを禁ず。
    柏木の里の納屋には、いま子が九人いる。柱に木札が九枚下がっている。だが郡の帳に載っているのは二名だけである。
    四月二十六日、ヨネは白洲に立った。人別頭のムネカタは条文の語で話し、私の言葉をほとんど使わない。この日、ムネカタは一条を加えた。──捨て子を拾いたる者の名は、届け出のいかなる欄にもこれを記すべからず。名を問われて、ヨネは名乗らなかった。代わりに、七年前の初秋に隣家の男が指を折って七つまで数え、お前のやってることは子買いだ、と言った日のことだけを述べた。
    夏になって雨が降らない。下手の井戸から順に涸れ、施行の期日は十月の朔日から八月の朔日へ早められた。本日を入れて八十七日、とスゲが言う。国じゅうで届け出のない子は、一万二千四百余とも言われている。
    ヨネは問屋場と名主と郡代所から反故をかき集め、裂いて紙を作った。百四十の里へ一枚ずつ配って歩くためである。ところが写しを書く段になって、十五のスゲが筆を置いた。この紙を写したのが誰かが、どこにも書いてない。──ヨネの名を、書式に入れろと言うのである。
    五月、郡の役所の奥の部屋で、十四年ぶんの届け出の写し二千八百六十一枚が床に四列並べられた。右端の列の三百二枚だけ、あとから一部が墨で潰してある。ヨネは自分の指の第一節を物差しにして、潰しの幅を測った。潰してあるのは名ではない。欄の名である。
    六月、公儀の版所で、ヨネは人別法の書式の版木を見た。桜の板で、縦が八寸、横が一尺二寸、厚みが一寸ある。一万八千枚を刷って摩耗し、彫った字の凸が、九行目のところだけ低くなっていた。
    版木の九行目には、十四字が彫ってあった。その十四字が、この十年、一度も刷られていない。
    【子買い納屋 全十巻】一~四巻=里と村と宿場と郡/五~七巻=領と隣領と王都/八~十巻=公儀と国境と、その一語。本巻は第三部の一冊目です。

子買い納屋 八の巻 拾った者の名を書くなと法で禁じられた女ですが、反故を裂いて百四十の里へ配ったら、里の者が日に二枚か三枚ずつ持ってきます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 子買い納屋
出版社名 Realize出版
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著者名 更科ひばり
著述名 著者

    Realize出版 子買い納屋 八の巻 拾った者の名を書くなと法で禁じられた女ですが、反故を裂いて百四十の里へ配ったら、里の者が日に二枚か三枚ずつ持ってきます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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