子買い納屋 十の巻 七つの国で名を騙られた女ですが、納屋の軒に自分で子買いの木札を下げたら、里の者が日に二人か三人、その板を見上げていきます(Realize出版) [電子書籍]
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子買い納屋 十の巻 七つの国で名を騙られた女ですが、納屋の軒に自分で子買いの木札を下げたら、里の者が日に二人か三人、その板を見上げていきます(Realize出版) [電子書籍]

価格:¥913(税込)
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出版社:Realize出版
公開日時:2026年08月25日00:00:00からお読みいただけます。
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子買い納屋 十の巻 七つの国で名を騙られた女ですが、納屋の軒に自分で子買いの木札を下げたら、里の者が日に二人か三人、その板を見上げていきます(Realize出版) の 商品概要

  • 晩冬、ヨネは苧三貫を背負って二里を歩き、境の市へ出た。市の東の口に、藍の幟が立っている。染めたばかりで、まだ端が糊で立っている。太い字で三字、そのすぐ下に小さく、国じゅうの奉公口、たしかにお預かり。値も書いてある。十五から上が二両、六つが一両。幟の前には十三人が並んでいた。
    三字は、この十七年ヨネが呼ばれてきた名だった。
    ヨネは市の道の真ん中に立って言った。子買いのヨネはこっちだ。
    帰りの坂で、ヨネはタケに言う。軒に下げられるだけの木を、一枚割れ。
    初春、タケが栗の板を選んだ。長さ二尺、幅八寸、厚み一寸。上下に二寸ずつ余る。縁が欠けても字が欠けないようにである。ヨネは自分の下手な字で三字を書き、藁の細縄を二本通して、納屋の軒の梁へ回して結んだ。
    名主の久兵衛が坂を上ってきて、下ろせ、と言った。呼ばれるのは里の者が勝手に言うことだ。書けば、あんたが認めたことになる。──子買いのヨネが、買いました。
    その日暮れ、足駄の男が坂を上がってきて、十六年前に橋の下で朝と夕に粥を運ばれたのは自分だと言った。名はヤジ。口入れを、とだけ言って帰った。ヨネはこの男の顔を覚えていない。
    春、同じ三字の幟が七つの国に立っていると分かる。三日立てて、下ろす日に子を連れて出る。連れられていった子は十一人。名が知れているのは一人だけである。
    納屋の子らは、自分たちで見分けの問いを三つ決めた。その子の名は何か。いつ、どこで引き取ったか。今日まで何日ぶんの飯を出したか。タケが一行足す。名乗るなら、代を払った証を出せ。
    晩春、北の壁の板が反って、裏の積み山から板戸が一枚出てきた。洗うと、彫った三字が現れた。ゴサクの孫のコウタが言う。じいちゃんの字だ。ヨネとコウタは小刀で二日かけてその字を削り落とし、削り屑を莚に包んで二人で谷へ捨てた。板は、北の壁に打ち直した。
    この納屋を出た子が三十二人。同じやり方の納屋が三十二軒。そこから出た子を全部足すと、四百人になる。
    十七年ぶんの帳面は十一冊ある。出た物と入った物を足したとき、ヨネが払った代がいくらだったかが、初めて分かる。
    【子買い納屋 全十巻】一~四巻=里と村と宿場と郡/五~七巻=領と隣領と王都/八~十巻=公儀と国境と、その一語。本巻は完結巻です。

子買い納屋 十の巻 七つの国で名を騙られた女ですが、納屋の軒に自分で子買いの木札を下げたら、里の者が日に二人か三人、その板を見上げていきます(Realize出版) の商品スペック

シリーズ名 子買い納屋
出版社名 Realize出版
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ファイルサイズ 1.7MB
著者名 更科ひばり
著述名 著者

    Realize出版 子買い納屋 十の巻 七つの国で名を騙られた女ですが、納屋の軒に自分で子買いの木札を下げたら、里の者が日に二人か三人、その板を見上げていきます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

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