伐り旬まで竹を断られた竹細工の親方ですが、節間一つにつき一文で払いはじめたら、山の者が五日に一度荷車で下りてきてくれます(Realize出版) [電子書籍]
    • 伐り旬まで竹を断られた竹細工の親方ですが、節間一つにつき一文で払いはじめたら、山の者が五日に一度荷車で下りてきてくれます...

    • ¥913183 ゴールドポイント(20%還元)
    • ただいま予約受付中!2026年08月22日00:00:00からお読みいただけます

伐り旬まで竹を断られた竹細工の親方ですが、節間一つにつき一文で払いはじめたら、山の者が五日に一度荷車で下りてきてくれます(Realize出版) [電子書籍]

価格:¥913(税込)
ゴールドポイント:183 ゴールドポイント(20%還元)(¥183相当)
お届け日:ただいま予約受付中!
出版社:Realize出版
公開日時:2026年08月22日00:00:00からお読みいただけます。
お取り扱い: のお取り扱い商品です。
ご確認事項:電子書籍リーダーアプリ「Doly」専用コンテンツ
こちらの商品は電子書籍版です

伐り旬まで竹を断られた竹細工の親方ですが、節間一つにつき一文で払いはじめたら、山の者が五日に一度荷車で下りてきてくれます(Realize出版) の 商品概要

  • 「三本目ですね」--誰も居ない仕事場で言った。折れた竹籤は三本とも、元から七寸のところで真横に切れていた。真横に切れるのは、身に水の道が残っている竹だけだ。二日で二十六本になる。
    白岩宗一郎、六十一。町の川西の土間で四十七年、竹を割って編んでいる。寺の言いつけが二度重なって手元の竹が足りず、他国の山から出た夏伐りの孟宗を三十本、一本二十五文で入れた。〆て七百五十文。二十二本に手をつけて半分が折れ、使えたのは十一本だった。伐り旬をひと月早めてくれと頼むと、山の者は「早められんに」と言う。山の水がまだ上がっている。上がっている竹は油抜きが利かず、冬に縁が浮く。浮いた縁は宗一郎の名前で寺へ行く。
    杉尾平助、四十四。十五でこの土間に竹を入れはじめて、二十九年になる。竹代は一本十五文、伐り出しの手間賃は一荷三十文。下ろしたその場で数えて、その場で払う。年を越して持ち越さない。そう決めたのは二十九年前、十五だった平助のほうだった。
    その勘定に、入っていないものがあった。日陰の斜面で三十本伐って、宗一郎が大籠の縁に使えるのは十九本しかない。節間が一尺二寸を超えていなければ、継ぎ目が七つで済まないからだ。十九本を選び出すために伐られた十一本ぶんの骨は、一荷三十文のどこにも出ていない。宗一郎は節間一つにつき一文で払うと言い出す。一尺二寸ちょうどは数えぬ、と決めたのは平助だった。
    晩秋の雨で伐り出し道が三間落ちた。一荷六本が三本になり、一日に十二本しか出ない。石を積むには石工が五人で十二日、十五貫かかる。町の竹問屋はその十五貫を立て替えると言い、里の大きな家は十四年前と六年前に貸した十二貫を消すと言う。どちらも証文は書かせない。乾きすぎた冬の籤は矯め木から跳ねて、十日で百三本になった。
    三十六枚の檜の札がある。呼び名、霜の数、土の深さ、前に伐った年、次に伐る年。二十二枚は五十年より前に刻まれていて、刻んだ者はもういない。そして町役所の山林之帳を三度繰っても、杉尾という名はどこにも無かった。帳面に載せるには、五行を埋めた覚え書きが要る。五行目は、出したものの納め先である。
    --竹の本数と、文と、節間を数えつづけて、初秋から翌る年の初夏まで。時代ライト文芸・全10章完結。

伐り旬まで竹を断られた竹細工の親方ですが、節間一つにつき一文で払いはじめたら、山の者が五日に一度荷車で下りてきてくれます(Realize出版) の商品スペック

出版社名 Realize出版
本文検索
ファイルサイズ 1.8MB
他のRealize出版の電子書籍を探す
著者名 望月とまり
著述名 著者

    Realize出版 伐り旬まで竹を断られた竹細工の親方ですが、節間一つにつき一文で払いはじめたら、山の者が五日に一度荷車で下りてきてくれます(Realize出版) [電子書籍] に関するレビューとQ&A

    商品に関するご意見やご感想、購入者への質問をお待ちしています!