山岳テント・登山用テント特集
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テント泊の魅力

テント泊登山は、自分たちで用意したテントを用いて山の中で一夜を過ごす登山スタイルです。
同じ宿泊を伴う山小屋泊登山よりも計画の自由度が高く、自分で寝場所を確保しながらの山歩きは大きな充実感・達成感を味わうことが出来ます。
山岳テント選びは、そんなテント泊登山を目指すうえでの大きな第一歩です。風の流れや虫の声、樹々から漏れる日の光、大地に寝る感覚と、普段とは違う時の流れの中で自然を身近に感じることができるテント泊登山の世界にぜひ足を踏み入れてみて下さい。
山岳テントとは?

山岳テント(登山用テント)とは、登山やハイキングなどで、山の中で設営するために作られたテントを指します。
テント泊登山では、テントをザックに入れて、山の中にあるキャンプ地まで背負って持ち運ぶ必要があります。そのため麓のキャンプ場や公園で使われるキャンプテントと比べると、「軽さ」「コンパクトさ」を重視しています。
また、強風・悪天候時でも素早く設営・撤収ができるようにテントの構造や設営手順はシンプルなものが多く、適切な設営が出来れば意外と丈夫で山の中で寝るには十分な安心感が得られます。
1人用の小型なものから3~4人で寝られる大き目のものまで山岳テントの種類も個性豊かです。自分に合った山岳テントを見つければ、この先の登山ライフがより充実したものになることでしょう。
山岳テントの選び方
選ぶうえで考える主なポイントは3つ、「使用人数」「山行スタイル」「テントのタイプ」です。
ポイント1:使用人数
テントはそれぞれ収容人数に見合った大きさで設計されています。主に何人で使用するのか考えて選びます。
メーカーやモデルによって多少違いはありますが、概ねそのテントの最大収容人数と同数で寝泊まりすると、荷物もあるので床面にそこまで余裕は生じない感じになります。居住空間にゆとりが欲しい場合は大きいサイズを選ぶのも手ですが、その分重量や収納サイズは大きくなるのでよく検討してから選ぶ事をおすすめいたします。
収容人数別テントの底面サイズ(※参考) | |||||
---|---|---|---|---|---|
サイズ | 1人用 | 1~2人用 | 2~3人用 | 3~4人用 | 4人用 |
タテ | ~90 | 100~ | 130~ | 165~ | 210~ |
ヨコ | 200~210 | 200~210 | 200~210 | 200~210 | 200~220 |
※登山でのテント泊で使用することを想定した場合の目安です。メーカー・モデルにより実際の使用感は異なります。
ポイント2:山行スタイル
主に、テントで過ごす時間も重視するベースキャンプスタイルと、次々と山を越えていく縦走登山スタイルがあります。
「のんびり派」か「がつがつ派」か、テントを選ぶ際はご自身がどのようなテント泊山行をしたいのか考えてみるのも良いでしょう。

①ベースキャンプスタイル
テント場に荷物を置いて行動するスタイルが多い方は、参加人数+1人を基準に選びましょう。
広い前室を持つテントを選ぶと、靴や水を置くことが出来るので、室内を広く使えて快適です。悪天候時の停滞するときのストレスも少ないのでお勧めです。

②縦走登山スタイル
設営・撤収が素早くできる、ポール2本構成のシンプルで軽量コンパクトなテントが最適です。
一方、収容人数と同数で宿泊するためには、テント内の整理や、調理時の共同作業に経験と工夫が必要になります。縦走登山でテント泊をすることはワンランク上の経験・知識が求められます。
ポイント3:テントのタイプ
山岳テントは、本体の構成枚数(ダブルウォールかシングルウォールか)と構造の違い(自立型か非自立型か)の組み合わせにより、それぞれ異なった特徴を持つようになります。
ご自身のスタイルと照らし合わせながら、どのようなテントが合うのか検討してみて下さい。
●ダブルウォールとシングルウォール

ダブルウォールテント
防水性を持つフライシートと通気性を持つテント本体の2枚で構成され、悪天時に室内に雨が吹き込みにくいのと、前室(入り口の前にできる土間)に靴や水を置けるので、室内が広く使えて快適です。使い勝手が良く山岳テントの主流と言えます。

シングルウォールテント
防水透湿素材の生地など1枚で構成され、ポールをスリーブに通すだけで素早く設営が可能です。前室の有無やダブルウォールより結露が生じやすい点など、シングルウォールならではの特徴を押さえた運用が必要です。
●自立型と非自立型(半自立型)

自立型
ポールを入れるだけでテント本体が自立するので、シンプルで設営に手間がかからず移動・引っ越しが素早くできます。更に細かく分けると強度面で分があるスリーブ式と、より設営が手早くできる吊り下げ式に分けられます。

非自立型(半自立型)
ポールの本数を減らしペグでテンションをかけて設営するタイプと、手持ちのトレッキングポールを兼用するタイプに大別されます。部品点数を減らせるためより軽量・コンパクトに持ち運べるのがメリットですが、設営には多少慣れが必要です。
はじめての山岳テント選びのアドバイス

初めて山岳テントを選ぶという方は[ダブルウォール×自立式]のスタンダードなタイプが扱いやすくておすすめです。
ダブルウォールテントはフライシート+インナーテントの2重構造なので室内に結露が発生しにくく、入り口の前に「前室」と呼ばれる”土間”が出来るため、そこで調理をしたり靴を置いたりできて荷物の整理整頓もしやすいです。
そして、ポールを通すだけでテントが立ち上がる自立型は、雨風が強い時でも比較的設営しやすく、設営場所を調整したい時も立ち上がった状態のまま動かせるので引っ越しが楽に出来ます。
もう1つのポイントは、テントのサイズ選びをよく考えて選ぶことです。居住性も重視したいのか、軽さ・コンパクトさを追求するのか、手持ちのザック容量との兼ね合い、最大何人で使用するのか、などなど―。山岳テントは一度購入するとそう頻繁に買い替えるものでもないので、なるべくイメージを膨らませてから選ぶようにしましょう。
【参考】ダブルウォール×自立式テント設営動画
テントをブランドから探す
山岳テントのオプション品
テント本体以外に設営で必要となるオプション品や、あわせて使うと便利なアイテムをまとめました。
テント本体に付いてくる付属品(ペグやガイラインなど)の数量はモデルによって異なります。場合によっては買い足しが必要になるケースもありますので、取扱説明書をよく読んでペグやガイラインの必要本数を確認したり、事前に自宅や公園で試し張りをしてみましょう。
イメージ画像 | 装備名 | ポイント |
---|---|---|
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グランドシート (フットプリント) |
テント本体と地面の間に敷くシートで、テント本体床面の保護や防水性を向上させる効果がある。そのテント専用にサイズを合わせて設計されたものをなるべく使いたい。 基本的にテント本体と別売りなので必携装備ではないものの、テントの寿命を延ばす意味でもなるべくあわせて使いたいアイテムである。 |
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ペグ | テントやガイラインを地面に固定する道具。テント本体に付属しているが、必要本数はテントによって異なるので事前に確認しておく。 素材(アルミ、チタン、スチール等)や形状(Vペグ、Yペグ、ピンペグ等)の組み合わせにより重量や運搬性、強度、打ち込みやすさが異なる。山ではスタッキング性に優れて軽量なものが好まれる傾向にある。 |
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ガイライン (張り網) |
テントが風で飛ばされないようにフレームに沿った形で四方に張るロープ。山の中ではテント本体のペグダウンだけでは耐風性に不安があるので、ガイラインも欠かさず使うようにしたい。ペグ同様、テント本体に付属していることが多い。 テントのサイズや使う自在金具の穴径にもよるが、1人用山岳テントなら1本あたり直径2~3mm/長さ2m~3mくらいがおおよその目安となる。 |
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自在金具 | ガイラインのテンション(張り加減)調整に使われるアルミやプラスティック製のシンプルなパーツ。単に「自在」とも呼ばれる。 ロープワークを駆使するよりもテンション調整が手軽に出来る。登山ブランドの自在はガイラインの太さが2~3mmでの使用を想定しているものが多い。 |
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テントマット (インナーマット) |
テント床面内側に全体的に敷く、厚さ1~2mmの薄いシート状のもの。保温性の向上や床面の結露対策を目的として、主に寒い時期や雪山テント泊で使われる。 そのままだとやや嵩張るので、必要サイズにカットして持ち運ぶのもおすすめ。 |
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フライシート 外張 |
ダブルウォールテントならごく一部の商品を除き、テント本体とセットで販売されるので基本的には追加で購入する必要はないが、シングルウォールテントのオプション品として単品販売されているケースもある。 「外張」は厳冬期の雪山テント泊でフライシートの代わりに使われることがあり、雪山での耐風性や保温性を高めてくれるアイテム。 |
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テントポール (テントフレーム) |
テントを立てるのに必要になる。テント本体に付属してくるので追加で購入する必要は無いが、忘れずに山に持っていくようにしよう。 出発前は自宅で組み立ててみて、問題なく展開できるか、フレームが破損していないか、中のコードが切れかかってないかなどをチェックしておくと安心。 |
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メンテナス用品 | テントの防水性を高めるシームコートや撥水性を回復させる撥水剤、テントが破れた時のための補修用テープなど。 テントを長く使い続けるためには使用後の掃除やメンテナスも大切。 |
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タープ | ポールやガイラインを使って立ち上げると布状の屋根となり、日除けや雨除けとして活躍する。テント滞在をメインとする山行において使用を検討してみる価値はある。 タープは麓のキャンプでもよく使われるので大型のものも多く、山で使う場合は軽量・コンパクトなモデルを選びたい。 |
ツェルトについて

ツェルトとは、テントよりも簡易的な構造の非自立式シェルターです。
普段はザックの中に忍ばせておいて、ビバークなどの緊急時に身を守るために使用するのが主な使い方になります。
テントのように設営することも可能で、その場合はトレッキングポールやガイライン、ペグ等を使用して立ち上げます。
設営に慣れが必要で、結露や防水性など快適性はどうしてもテントに比べると劣りますが、より軽量・コンパクトになる点や、設営の自由度の高さからツェルトを使って寝泊まりする山行スタイルも存在します。
ウルトラライトを目指す方や、より自然を身近に感じたい方、工夫次第で様々なバリエーションが生まれるツェルト泊にもぜひトライしてみて下さい。
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