トレッキングポールの選び方特集

登山やハイキングの心強い味方「トレッキングポール(ストック)」の選び方やおすすめ商品をご紹介!はじめての方必見です!
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トレッキングポールの選び方特集
トレッキングポールのメリット

登山やハイキングでトレッキングポールを使っていますか?
トレッキングポール(ストック)を上手に活用することで、身体にかかる負担を減らして楽に安全に山登りを楽しむ事が出来るようになります。

本ページではそんなトレッキングポールのメリットや選び方を解説しておりますので、これから登山を始めたい方、購入するのを悩んでいらっしゃる方はぜひ参考にしてみて下さい。

トレッキングポールのメリット

脚・膝にかかる負担を軽減できる
トレッキングポールを使う事で、両手でも地面を捉えて身体を支えることが出来るため、脚にかかる衝撃や負担を分散・緩和して脚部、特に膝やモモの筋肉が疲れにくくなります。
下りで体を支えて安定する
下り坂や段差を降りるときにトレッキングポールを突くことで、上半身でも体を支えられるため体が前につんのめるのを防ぎバランスが取りやすくなります。下りが苦手な方はぜひお試しください。
推進力を得て軽快に歩ける
平坦部や登り坂では、ストックを介して上半身の力も上手く使う事で、推進力が生まれてより軽快に進むことが出来ます。荷物が重い山小屋泊やテント泊でも登りで体を引き上げるのに役立ちます。
トレッキングポールの選び方

トレッキングポールは、構造や使用素材などによりそれぞれ特性が異なってきます。

はじめてトレッキングポールを選ぶという方は、以下でご紹介する選び方のポイントをぜひ参考にしてみて下さい。

選び方①:使用本数とグリップ形状

トレッキングポールは持ち手(グリップ)の形状により「I型グリップ」「T型グリップ」の2種類に大別することができ、それぞれ得意とする地形や使用本数が変わってきます。

まずはご自身が「どのような用途や環境でトレッキングポールを使用するのか」を考えてグリップの形状を選ぶとよいでしょう。

I型グリップは、両手に1本ずつ、2本での使用(ダブルストックとも呼ばれる)を基本とした登り下りがメインとなる登山でおすすめのタイプです。

ストラップに手を通してからそのままグリップを握ります。I型グリップはスイングしやすく、地面に突いてから体を前に押し出すような動きができるため平地や登り坂で推進力を得やすいです。
また、下りや荷物が重い時でも両手に持ったポールで体が前につんのめるのを抑えてバランスが取りやすくなるため脚の筋肉が疲れにくくなります。

ちなみにI型グリップのポールを1本だけ使用するという方法もありますが、真価を発揮させるならば、やはり2本での使用がおすすめです。
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T型グリップは、どちらか片手1本で使用することを前提とした平坦部中心のハイキングや自然散策でおすすめのタイプです。

グリップ最上部が前後に飛び出たT型の形をしているので、短い方を前にして、そのまま手を上から乗っけて掴むような形で握るのが基本となります。
I型グリップのような推進力を得るためではなく、体重を預けて「杖」としてバランス補助に使うような使い方を得意とします。

そのため全長も短めのものが多く、平坦部中心のハイキングでゆったりしたペースで歩く方や、写真を撮るので片手をフリーにしておきたい人などにおすすめです。
モデルによっては、I型グリップの機能も持たせて登山でも使いやすくしているものもあります。
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【I型グリップはこんな方におすすめ】

  • ・登り下りがメインとなる登山
  • ・上半身も使って推進力を得たい
  • ・荷物が重たい(テント泊等)

【T型グリップはこんな方におすすめ】

  • ・平地が中心のハイキング、散策
  • ・補助具としてバランス保持に
  • ・両手が塞がるのに抵抗感がある
選び方②:伸縮式と折りたたみ式

トレッキングポール選びでは、ポール自体の収納方法や構造にも着目しましょう。
収納方式は大きく分けると「伸縮式」「折りたたみ式」の2種類があります。

伸縮式は、収納時は太さの異なる各シャフトが重なるように収まっていて、使用時にそれぞれのシャフトを引き伸ばしてからロックをかけることで使用可能となるタイプです。

構造がシンプルで、メンテナンス時も各シャフト毎に分解できて掃除もしやすいため、初めてトレッキングポールを使用する方も安心して使えます。

長さの調節方法には主にレバーの開閉で操作する「レバーロック」とシャフトを回転させて固定する「スクリューロック」の2種類がありますが、直感的に操作しやすいレバーロック式が最近の主流となっています。
また、下・中・上段シャフトからなる3段式のものが多いですが、更にもう1本シャフトを追加して収納長さを短くした4段式タイプも存在します
▶伸縮式のトレッキングポール商品一覧はこちらから

折りたたみ式は、各シャフトをワイヤーやケーブルで連結することで収納時に蛇腹折りのようにしておき、使用時は各シャフトを接続して組み立てて使用するタイプです。

最大の魅力は非常にコンパクトになることです。
例えば伸縮式のポールでは、小さいザックに取り付けるとポールがザックより飛び出てしまいますが、折りたたみ式なら飛び出さずスマートに持ち歩く事が可能です。いざとなればザックの中に入れる事も可能なので、公共交通機関をよく利用する人にもおすすめです。

一方、使用時の長さ調整幅は伸縮式よりも短く、組み立てると自ずと「最低使用長さ」も決まってしまう(身長の低い人は注意)点や、ケーブルで一体化しているため修理やメンテナンス性は伸縮式のようにはいかない点は押さえておきましょう。
▶折りたたみ式のトレッキングポール商品一覧はこちらから

【伸縮式の特徴】

  • ○構造がシンプルで扱いやすい
  • ○分解可能でメンテナンスが容易
  • △安価なモデルも選べる
  • △収納長さは折りたたみ式より長い
  • △ザックへの取付に悩む場合も

【折りたたみ式の特徴】

  • ○収納長さが短く非常にコンパクト
  • ○ザックへの取付・収納が容易
  • △長さ調整幅が伸縮式より短い
  • △伸縮式より価格が高め
  • △修理・メンテナンスの融通は効きづらい
【参考動画】折りたたみ式トレッキングポール 使用イメージ

シナノ「フォールダーTWIST シリーズ」のプロモーション動画です。

※折りたたみ式トレッキングポールの組み立て・収納方法は、メーカーや商品により異なります。

選び方その③:身長に応じた長さ選び

トレッキングポールは商品により使える最大長さ(折りたたみ式は最小長さも)が異なりますので、ご自身の身長に対応した長さのものを選ぶようにしましょう。

長さ選びのポイントは以下の通りです(I型グリップでの選び方となります)

先ずはポール選びの基準となる長さを決めます。平地ではグリップを握って自然に下に突いた際に、肘が直角か、それよりやや短めで使うのがおすすめです。
【身長×0.63~0.65】を、平地で使う長さの一つの目安とし、サイズ選びの基準とします。
例)身長170cmの方なら107cm~110cm辺りを一つの基準とします(ここでは基準の長さなので、実際に選ぶべき商品の最大長さは②で決定します)

①で決めた基準となる長さから、±5~10cm程度の長さ調整幅を確保※できるモデルを選びましょう。
登りでは突いたときに腕が窮屈にならないよう平地よりも短めに、下りでは自分よりも低い位置(前方)に安定して突けるよう平地よりも長めにするなど都度長さを調整して使います。
(※±5~10cmの調整範囲をカバー出来ればいいので、実際にはそれより長めの調整幅がある商品でも構いません)

折りたたみ式に関しては、組み立てた状態で実際に使える「最小長さ」もチェックしましょう。
例)身長155cm(平地の基準長さ約100cm)の方が、使用長さ110~130cmの折りたたみ式ポールを使おうとすると、110cmよりも短く出来ないため、登り坂など短く使いたい場面で使い勝手が悪くなるケースが考えられます(グリップを握る位置をズラすなど多少の工夫は可能)

②と③の補足になりますが、ポールの長さは基本的にはシャフトの伸縮で調整しますが、グリップ部の握れる範囲を長くとってあって、握る位置を変えることでも使用長さを調整できるモデルもありますので、商品選びの際にチェックしてみてください。

T型グリップのモデルに関しては、ハイキングや散策目的の歩行の補助として使うのであれば、長さが短いモデルでも十分対応可能です。
もし登山で使いたい場合は、I型グリップと同程度まで長さを伸ばせるものを選んだり、T型・I型どちらの握り方でも使える兼用モデルを選ぶと使い勝手がよくなります。

選び方その④:素材の違い[アルミとカーボン]

トレッキングポールのシャフトに使われる素材は「アルミ」「カーボン」の2種類が挙げられます。素材の違いが一番現れるところは「重さ」です。概ねカーボン製の方が軽いです※

※実際の重量は、シャフトの素材の違いの他にも、グリップやロック機構、ポール全長等にも左右されます。

アルミ製はカーボン製より重くなりやすいですが、コストパフォーマンスに優れ耐久性が高いのが魅力です。
使い込んでいってシャフトが多少曲がったり部分的に凹んだとしても問題なく使える場合もありますし交換パーツも低コストで済みますので、トレッキングポールを使う事自体にまだ不慣れな方はまずアルミ製で練習を積むというのもおすすめです。

カーボン製アルミ製よりも軽く作れて、衝撃吸収性に優れているのが魅力です。
山行中、ずっとポールを持ち続けて何回も地面に突いたりスイングする事を考えると、軽い方が腕や上半身への負担は大きく減ります。
アルミ製よりも価格が高めになるという点と、岩の隙間に挟むなどして局部的に強い衝撃がかかると折れる可能性がある点はカーボン特有のものと言えます。

素材 特徴
アルミ ・比較的安価なモデルが多い
・耐久性が高く折れにくい
・カーボンより重くなる
カーボン ・軽くて衝撃吸収性に優れる
・アルミに比べると高価
・衝撃が集中すると折れる可能性も
トレッキングポールの選び方まとめ

ここまで解説してきたトレッキングポールの選び方をまとめました。
ご自身が「トレッキングポールに求めるもの・重要視する要素は何か?」をイメージしながら条件を絞り込んでいくと、目当てのトレッキングポールに出会いやすくなります。
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I型グリップとT型グリップで得意とする環境が異なる
I型グリップは推進力を得やすく登りも得意。登下降をメインとする登山向けで、2本使用が基本。
T型グリップは杖としてバランス保持がメイン。平坦部中心のハイキングや自然散策に向いていて、1本での使用が基本。
シンプルな伸縮式か、コンパクトになる折りたたみ式か
伸縮式は構造がシンプルで比較的安価、メンテナンス性にも優れるが収納長さは折りたたみ式より長め。
折りたたみ式は非常にコンパクトになり収納力にも優れる。使えるサイズ幅が伸縮式より短いのでサイズ選びには注意。
身長に応じた使用長さを想定してサイズを選ぶ
I型グリップは、平地で肘が90度に曲がるくらいかそれよりやや短いくらい、身長×0.63~0.65を一つの基準とし、登り下りで長さを調節するための調整幅±5~10cmを確保できているサイズを選ぶ。折りたたみ式の場合は使用時での最小長さもチェックしておく。
耐久力に優れたアルミ製か、軽さを重視したカーボン製か
アルミ製は耐久性が高くコストパフォーマンスに優れるがカーボン製よりも重くなる。
カーボン製は軽量で衝撃吸収性に優れるが価格は高め。岩に挟むなどの局部的な強い衝撃による破損に注意。

トレッキングポールの価格の違いについての補足ですが、高価格帯のものは、シャフトやグリップ、ロック機構に高品質の素材を使い形状や使い勝手に拘っていたり、衝撃を吸収する機構(アンチショック)を設けていたりと更なる付加価値をプラスして快適性・操作性を向上しています。

メンテナンスをしっかり行って適切な使い方をしていれば、ポールは長い期間使えるアイテムですので「使い勝手の良いものを長く」という考え方も、十分検討する余地があると言えます。

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【コラム①】使用後のメンテナンスが大切

トレッキングポールを良好な状態を持続させ、少しでも長持ちさせるためには使用後のメンテナンスが必要不可欠です。

①自宅に帰ってきたら直ぐに各シャフトを引き抜いて、ゴムキャップとバスケットも外します。
(折りたたみ式はシャフトを抜けないため、キャップなど外せるものだけ外す)

②ゴムキャップとバスケット、石突き(下段シャフトの先端部の金属部分)は水洗いで泥汚れを落とします。
(上段シャフトのグリップやストラップも水で洗っても構いませんが、シャフト内部に水が入り込まないよう注意しましょう)

③各シャフトやジョイント部を、雑巾等で乾拭きします。
(よほど泥で汚れてない限りは原則乾拭きです。水に浸したり、潤滑油もNGです)

④各シャフトの内部に付着した水分を少しでも飛ばして乾燥させるため、シャフトを手で持って振って水を切ります。
(周囲にぶつけないようご注意ください。)

⑤分解した状態のまま、壁等に立てかけて屋内でしっかり陰干しで乾燥させます。
(完全に湿気を無くすため、数日間はそのままにしておきましょう)

完全に乾燥させたらメンテナンス完了。
保管時は通気性の悪いビニール袋等には入れずに、陽の当たらない場所で保管しましょう。
(保管時はバラした状態のままでも、組み合わせた状態でもどちらでも構いませんが、ロック機構は開放した状態が望ましいです)

メンテナンスはポールを使ったなら"毎回必ず実施"します。
晴れの日で使って一見汚れてないように見えても、シャフトの内部は湿気で水分が付着しています。水分が付着したまま保管していると、錆びやシャフトの摺動が悪くなる原因になります。

また、ケーブルで繋がれている折りたたみ式のポールは、シャフト毎の分解は出来ないため、各シャフトの接続部や摺動部を丁寧に乾拭きして汚れを取ってから、しっかり乾燥させて保管しましょう。

【コラム②】ゴムカバーとバスケットについて

下段シャフト先端部の石突を覆うように装着する「ゴムカバー(ゴムキャップ)」ですが、登山中も自然環境や登山道保護の観点から、基本的には装着したまま使いましょう。
ただし、ポールが沈み込んでカバーが抜けやすい柔らかい地面(富士山の砂走りや、雪山など)や、締まった雪や氷の上で金属製の石突を効かせて歩きたい場面など、状況によっては外すこともあります。
ゴムカバーはメンテナンスでは毎回外しますが、再装着する際はキャップをはめたらポールに上から体重をかけてしっかり押し込みましょう。

こちらも下段シャフト先端付近に付いているリング状のパーツ「バスケット」ですが、ポールが岩の隙間などに入り込むのを防ぐ役割がありますので、必ず付けて使用するようにしましょう。
また、購入時に付属しているものより大径のバスケット(スノーバスケット)が別売りされていますが、こちらはより沈み込みを防ぐための雪山登山向けとなっています。

これらパーツ類は、メーカーにより規格が異なる場合がありますので、パーツ単品で購入される場合は、なるべくポール本体とメーカーを合わせるのが無難です。
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【コラム③】似て非なる?ノルディックウォーキングポールとは

街中や運動場、河川敷などで両手にポールを持って突きながら歩いている人を目にしたことはないでしょうか?
「ノルディックウォーキング(若しくはポールウォーキング)」と呼ばれるこれらのアクティビティは、普通にウォーキングするよりも全身を使う分高い運動効果が見込めるため、運動不足解消やダイエット、トレーニング目的で年々愛好家が増えています。

ノルディックウォーキングで使用するポールは、トレッキングポールと外見は似ていますが、実際はグリップやストラップ、ゴムキャップなどの形状や仕組みが違っています。

ノルディックウォーキングポールは、あくまで街中での運動で使う事を想定した強度・設計となっています。急な斜面で一時的に体重+ザックの重さを預けるような登山での使い方には適していませんので、トレッキングポールを選ぶ際には混同されないようご注意ください。
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