キヤノン フラッグシップ一眼レフ「EOS-1D X Mark III」

キヤノンのフルサイズフラッグシップ一眼レフ「EOS-1D X Mark III」がついに登場。新開発のCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」を搭載し、スポーツや報道、スタジオ撮影などプロフォトグラファーの新たな表現領域を切り拓きます。
フルサイズ一眼レフ EOS-1D X Mark III

「EOS-1D X Mark III」は新開発の有効画素数約2010万画素フルサイズCMOSセンサー、新映像エンジン「DIGIC X」やAF専用のセンサーなど、キーデバイスを一新し基本性能が大幅に向上。キヤノンが持つ最先端技術の粋を注ぎ込み、プロフォトグラファーだけでなく動画も撮影するプロのニーズに応えるべく、高画質や高速連写、快適な操作性を高い次元で実現しました。

■EOS-1D X Mark IIIの特長をさらに詳しくご紹介
 ▼高画質・高速性能
 ▼AE/AF性能
 ▼動画性能
 ▼操作性・ネットワーク

■高画質・高速性能
●映像の表現力を革新する、20.1M 35mmフルサイズCMOSセンサー

新開発の有効画素数約2010万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー(約35.9×23.9mm)を搭載しました。優れたS/N比とダイナミックレンジを備えるほか、駆動と読み出し速度の大幅アップを実現。これにより常用で最高ISO102400(静止画撮影時)、最高約20コマ/秒の高速連続撮影、5.5K RAW動画、4K 60p動画などに対応。画質と機能の大幅な向上を可能としています。

●次元の違う処理性能を獲得した映像エンジン「DIGIC X」

新開発の映像エンジン、DIGIC Xを搭載。シングル構成でありながら、EOS-1D X Mark IIのデュアルDIGIC 6+をはるかに凌ぐパフォーマンスを発揮します。ノイズの抑制や解像感の向上、撮影時のデジタルレンズオプティマイザ処理などで画質向上を図りつつ、最高約20コマ/秒(電子シャッター時)の画像処理やHEIF記録に、ひとつのエンジンで対応。デュアルピクセルCMOS AFの大幅な機能アップや、膨大なデータの即時処理が求められる5.5K RAW動画も実現しました。また、デュアル構成のエンジンに対して、電力消費と発熱量を抑制できるという利点も備えます。


●EFレンズの解像力を活かす「GDローパスフィルター」

新EFレンズの優れた解像力をより引き出すため、ローパスフィルターを新開発しました。センサーに届く光を16点に分離させることで、ガウス曲線に近いMTF形状を実現。偽色や輝度モアレを効果的に抑制しつつ、従来のローパスフィルターより高い解像感を達成しています。


デジタルレンズオプティマイザが撮影時から適用可能に

これまでRAW現像にのみ対応していたカメラ内デジタルレンズオプティマイザが、撮影時から使用できます。連続撮影時の撮影速度や連続撮影可能枚数への影響がないため、常用することも可能です。撮影後に処理を行うプロセスを省けるほか、速報性が求められる撮影においては、高度な補正を施した画像を即時転送・活用することができます。


【ファインダー撮影】瞬間を切り取る、最高約16コマ/秒の高速連続撮影

CMOSセンサーから映像エンジン、カード書き込みに至る内部処理。ミラー駆動システムやシステム全体の駆動シーケンス。すべてを刷新することで、EOS-1D X Mark IIを超える最高約16コマ/秒の連続撮影を実現しました。同時にファインダー像の消失時間も短縮。被写体をリアルタイムで視認し、追いかけられる光学ファインダーのアドバンテージを活かし、スポーツや動物の動き、人物の表情の変化に対応することが可能です。

●メイン/サブミラーを高速・高精度に制御する新ミラー駆動システム

メインミラーはモーターダイレクト駆動。ミラーを衝突直前に減速制御することでミラーショックを抑制、瞬時にバウンドを収束させます。さらにEOS-1D X Mark IIIでは、メインミラーとサブミラーの動きを正確に連動させる、新設計のサブミラー連動レバーを採用しました。これにより、メインミラーの駆動に対するサブミラーの遅延を低減。また、メインミラーにブレーキをかければ連動してサブミラーも減速するため、サブミラーについても瞬時にバウンドを収束できます。メイン/サブミラーの駆動速度アップにより高速連続撮影に対応しつつ、ファインダー像消失時間の短縮と、AF精度の向上を達成しています。


【ライブビュー撮影】最高約20コマ/秒(AF/AE追従)の高速連続撮影

ライブビュー撮影では、最高約20コマ/秒の高速連続撮影が可能です。CMOSセンサーの高速駆動・高速読み出し、DIGIC XによるデュアルピクセルCMOS AFの高速演算により、AF/AE追従を実現。EOS-1D X Mark IIでは不可能だった、動体の撮影にも対応します。


●ミラーショックを低減するソフト動作/ソフト連続撮影

ファインダー撮影、およびライブビュー撮影のメカシャッター時は、ドライブモードのソフト動作(1枚)を設定できます。ミラーとシャッターチャージを通常よりも低速で動作させることにより、いっそう振動を抑えた撮影が可能です。さらに、シャッターボタンを半押しの位置に戻すまで、内部機構が動作を待機。撮影後のチャージ音の発生タイミングを、意図的にコントロールすることができます。また、ソフト連続撮影(最高約8.0コマ/秒)も搭載しています。

●連続撮影可能枚数1000枚以上(RAW+JPEGラージ)

映像エンジンDIGIC Xによる高速処理とバッファメモリーの容量アップ、カード書き込み速度の向上などにより、RAW+JPEGラージで1000枚以上の連続撮影可能枚数を確保しました。また、14bit+10bitとなるRAW+HEIF同時記録時でも、約350枚の連続撮影が可能です。
■AE/AF性能

●AF専用「High-res AFセンサー」を新搭載

従来のラインセンサーではなく、EOS-1D X Mark II比約28倍の数正方画素を高密度に配置した「High-res AFセンサー」を新たに搭載。最大191点(クロス測距点最大155点)の測距点から得られる高解像な信号を解析することで、光学ファインダー撮影時に高い合焦精度を実現し、AF測距輝度範囲が拡大しました。

●ディープラーニングを用いた頭部検出アルゴリズム

光学ファインダー、ライブビューのいずれの撮影時においても、ディープラーニング技術を用いて開発した頭部検出アルゴリズムにより、顔や瞳が検出できないときでも安定した追尾を実現。さらにライブビュー撮影時は、被写体の瞳を検出してフォーカスを合わせる「瞳AF」も併用可能です。

●測距輝度範囲の拡大、EV-4~21

新AFセンサーの搭載により、測距輝度範囲を拡大。暗い環境や被写体周辺に強い光源があるシーンにおいても、EOS-1D X Mark II(EV-3~18)より安定した測距を実現します。また、最大191点、最大65点のクロス測距点でF8光束対応AFを実現。たとえばEF600mm F4L IS III USMにEXTENDER EF2×IIIを使用した場合、1200mmの焦点距離でもAF撮影が可能です。野生動物、スポーツなどの分野で撮影領域がさらに広がります。

●「デュアルピクセルCMOS AF」が進化

進化した「デュアルピクセルCMOS AF」により、ライブビュー撮影において、映像表示範囲の最大約100%×約90%でAFが可能に。また、「DIGIC X」との組み合わせにより、ライブビュー撮影時のAF測距輝度範囲も拡大しました。さらに、自動選択時AFエリア分割数が最大525分割に細密化され、被写体を捉えて滑らかに追尾することが可能になっています。
■動画性能
●3つの画角に対応した、4K 59.94p/50.00p記録

ハイエンドなシネマ制作にも対応可能な動画撮影機能を搭載。4K動画は従来のDCI 59.94fps/50.00fpsクロップに加え、新たにDCI/UHD 59.94fps/50.00fps(クロップ[しない])の記録を可能としました。クロップ[しない]時は装着したEFレンズの画角が活かせ、特に広角撮影に有利です。一方のクロップ時は、望遠効果を得ることが可能。3つの画角を、用途や被写体に応じて使い分けられます。

●美しい4K動画を生む、5.5Kオーバーサンプリングプロセッシング
CINEMA EOS SYSTEMで実績のある、高画質ディベイヤーアルゴリズムを採用しました。撮影範囲内にある5.5Kの豊富な画素情報を活かして、RGBそれぞれに5.5Kデータを取得。非加算リサイズして4K映像を生成します。色再現性に優れ、ディテールが鮮明。モアレやジャギー、ノイズも低減。より美しい4K映像で、高画質へのニーズに応えます。
■操作性・ネットワーク
●快適な操作性と高い信頼性

●背面ボタンバックライト

暗所でのメニュー操作や再生操作をサポートするため、背面の一部の操作ボタンにバックライトを採用しました。

●スマートコントローラー

AFスタートボタン内部に指の動きを光学的に検知するポインティングデバイス「スマートコントローラー」を新たに導入。ボタンから指を離さずにすばやくAF測距点位置を設定することが可能になりました。

●省電力設計

電源には「バッテリーパックLP-E19」を使用。電力消費マネジメントの見直しにより、撮影可能枚数がEOS-1D X Mark IIの約1,210枚から約2,850枚に増加しました。

●CFexpressダブルスロット

CFexpress用のダブルスロットを搭載。CFexpressカード採用による書き込み速度の向上と、RAW+JPEGでも余裕ある連続撮影可能枚数を実現しています。

●堅牢性

堅牢性と軽量化を両立できる高い剛性を備えたマグネシウム合金製ボディーを採用。外装部品に新構造を採用したことで、EOS-1D X Mark IIより約90gの軽量化を実現しました。また、シャッターユニットは50万回の作動試験をクリアしています。

●プロのニーズに対応した通信機能
スマホなどの携帯端末へのWi-Fi/Bluetoothによる接続に対応し、効率的な画像管理が可能です。また、撮影地点の位置情報を自動的に記録するGPS機能も搭載しています。高速有線LAN、ワイヤレスファイルトランスミッターWFT-E9Bなら更なる高速データ転送も可能です。
FTP、FTPSに加え、SFTP(※)での転送が可能となり、最新の認証・暗号化通信技術に対応した安全性に優れる通信を実現。LAN接続の認証規格であるIEEE 802.1Xに対応し、スポーツイベント会場など、EAP認証が求められる環境に対応しています。 ※WFT-E9Bが必要です
タブレット端末上でほとんどの撮影操作、設定が完結できる機能「Browser Remote(※)」により、タブレット端末とカメラ本体の接続時に、SSL暗号化通信に対応し、遠隔操作時の安全性が向上。従来の「EOS Utility」に加え、「Browser Remote」でも主要な新聞社/通信社の参画するIPTC(国際新聞電気通信評議会)のメタデータが編集可能です。 ※2020年4月ファームアップ予定