映像クリエイターの創造力を突き動かすフルサイズ一眼 α7S III 登場

ソニーのフルサイズミラーレス一眼α7Sシリーズから、最新モデル「α7S III」が登場。新開発イメージセンサーが実現する最高ISO409600の高感度性能と最大15+ストップの豊かな階調、そして格段に進歩した4K動画撮影性能で、映像クリエイターの創造力をさらに拡張します。
【α7S III】
映像クリエイターの感性に応える、α7Sシリーズ新世代モデル

わずかな光までも描写する圧倒的な高感度性能と、すべての感度域で広いダイナミックレンジを実現するα7Sシリーズの基本コンセプトはそのままに、さらなる表現力を追求するため、有効約1210万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサーを新開発。拡張最高ISO感度409600や15+ストップのダイナミックレンジに加え、4K 120p動画記録や、α7Sシリーズとして初の像面位相差AFに対応。撮影領域のさらなる拡大を可能にします。
また、動画・静止画処理能力を大幅に向上した新画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載。デュアルスロットは従来のSDカードに加え、高速性能を備えた小型メモリーメディア「CFexpress Type Aメモリーカード」に対応。4K 120pなどの高ビットレートの書き込みやデータ転送速度が大幅に向上し、これまで以上の快適な操作性を実現しました。




新開発センサー&新画像処理エンジン

■新開発CMOSセンサーと刷新されたシステムがもたらす圧倒的な撮影性能

有効1210万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサーを新開発するとともに、カメラの心臓部である画像処理エンジンを刷新。圧倒的な静止画、動画撮影性能を提供し、撮影領域を拡大します。また、将来のハードウェアの進化を見据え、静止画撮影では新たにファストハイブリッドAFや非圧縮RAWフォーマットでの1000枚以上の連写などのスピード性能を実現。動画撮影においては、4:2:2 10bitの4K 120p記録をはじめとした最新の機能が充実しました。さらに、メディアへの書き込みやデータ転送速度も従来比で大幅に向上させ、プロフェッショナルやハイアマチュアが求める機能・性能を実現。圧倒的な映像品質と快適な操作性を両立しました。


有効約1210万画素の新開発裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」搭載

静止画、動画撮影における表現領域のさらなる拡大を目指し、ソニーが誇るイメージセンサー技術を結集。α7Sシリーズとしては初めてとなる、裏面照射型の有効約1210万画素35mmフルサイズCMOSセンサーを新開発しました。α7Sシリーズの特長である高感度・低ノイズ・広ダイナミックレンジはそのままに、さらなる感度向上、2倍の読み出し速度を実現したほか、α7Sシリーズ初の像面位相差AFにも対応しています。

従来比最大約8倍の高速処理を実現、革新的な新アーキテクチャー採用

従来モデルでは、高性能画像処理エンジン「BIONZ X」とフロントエンドLSIが連携して処理していたAF、画像認識、画質調整、現像といったリアルタイム処理を、新画像処理エンジン「BIONZ XR」に集約することで、画像処理の遅延時間を短縮するとともに、動画・静止画処理能力を大幅に向上しました。また、ユーザーインターフェース/ネットワーク/ファイル管理といったメディア処理の負荷を分散することで、リアルタイム処理の負荷の大きさに関わらず、快適な操作レスポンスを実現しました。

広い感度域と15+ストップの高いダイナミックレンジ

色再現性の向上のため、センサーに最新のカラーフィルターを採用。また、センサーの高集光プロセス技術に加え、入射光量に合わせて出力される信号のレベルをセンサー内部で最適化することで、すべての感度領域において高感度・低ノイズ性能を実現しています。さらに、常用ISO感度は従来比で低感度側80から102400(静止画、動画共通。静止画拡張時40 - 409600、動画拡張時80-409600)へ拡大。加えて、15+ストップの広いダイナミックレンジを達成しています。


高精度な像面位相差AF対応センサー

α7Sシリーズとしては初めて、像面位相差AFに対応したセンサーを採用。イメージセンサーの撮像画面のほぼ全域(約92%)に、α9/α9 IIの693点よりさらに多い、759点の選択可能な位相差測距点を高密度に配置。従来の高感度性能に加えて、像面位相差AF時のフォーカスの安定性と精度向上を実現しています。


圧倒的な4K動画記録性能

■新開発イメージセンサーと画像処理エンジンの融合で、かつてない4K動画記録を実現

新開発フルサイズイメージセンサーが実現する広いダイナミックレンジ、高感度性能、高速読み出しによるローリングシャッターの低減に加えて、大容量データのリアルタイム処理に優れた新画像処理エンジン「BIONZ XR」で、全記録モードでの画素加算なしの全画素読み出し動画記録、4K 120p記録、4:2:2 10bitのビット深度やカラーサンプリングなどの圧倒的な映像記録性能を小型ボディに凝縮。ポストプロダクションを前提としたワークフローを高い基本性能でパワフルにサポートします。
画素加算なしのフルサイズ領域での全画素4K読み出しが可能

フルサイズ領域で、画素加算のない全画素読み出しによる4K(QFHD:3840×2160)動画の本体内記録に対応。フルサイズならではの表現力はそのままに、全画素情報を間引きや画素加算なく読み出して使用するため、モアレやジャギーを抑えた、より解像感の高い4K映像を実現。圧倒的な高感度・低ノイズ性能、広いダイナミックレンジと合わせて、夜景などさまざまなシーンで高画質な4K動画を記録できます。


4Kでの最高120pのハイフレームレート動画記録

最大120pのハイフレームレート動画を4K解像度によるカメラ内記録に対応。4K解像度で最大5倍のなめらかなスローモーションにより、印象的な映像表現が可能です。4:2:2 10bitのサンプリングに対応しているほか、圧縮形式はフレーム間の差分情報を用いて圧縮を行うLong GOP、およびフレーム単位で圧縮し高画質記録を行うAll-Intra方式も選択できます。

高画質なスロー&クイックモーション撮影ができる「S&Qモード」

記録した映像をそのままスローモーションやクイックモーションで再生可能なS&Qモードでは、XAVC S-I記録で60p記録設定時、最大ビットレート1200Mbps(4:2:2 10bit、H.264、All-Intra、S&Q設定時)の高画質記録が可能です。フルHD解像度時は240fpsで最大10倍のスロー表現(24p記録)も可能となり、動きのあるスポーツシーンなどを印象的に記録できます。

編集の自由度を高める「16bit RAW出力」

拡大するRAW収録への要望に応え、αシリーズ初、HDMIケーブル経由でカメラから対応する外部レコーダーへの16bit RAW動画の出力が可能になりました。高度なポストプロダクションにおいて高い編集自由度を提供します。また、フルサイズ4264×2408 (16:9アスペクト)、16bitの映像出力が可能で、フレームレート(60p/50p/30p/25p/24p)が設定できます。さらに、XAVC HS 4K/XAVC S 4K/XAVC S-I 4K動画の本体内記録をしながらHDMI経由でRAW映像を出力が可能なうえ、プロキシー記録も選択できます。


高画質All-Intra記録

従来採用していたフレーム圧縮方式Long GOPに加えて、αシリーズ初、フレーム間の圧縮を行わないAll-Intra記録に対応。記録ビットレート最大1200Mbpsの高画質4Kの本体内記録が可能です。


MPEG-H HEVC/H.265コーデック記録

MPEG-4 AVC/H.264比で圧縮効率が約2倍の高効率圧縮コーデック MPEG-H HEVC/H.265を採用した「XAVC HS」ファイルフォーマットを新たに搭載。XAVC S記録時と同等のビットレートであればより高画質に、画質が同等になる設定であればより低容量で記録できます。カメラ本体内(SDXC/SDHCメモリーカード、CFexpress Type Aメモリーカード)への記録も可能です(Long GOPのみ)。


業務用カメラとの親和性を高めたS-Log撮影

S-Log2およびシャドウからミッドトーン(18%グレー)にかけての階調特性を重視した、S-Log3を搭載。S-Log3設定時は15+ストップの再現域を確保しています。色域はS-Gamut、S-Gamut3、S-Gamut3.Cineに対応。本機では、S-Gamut3およびS-Gamut3.Cineの色再現性を、ソニーのデジタルシネマカメラ「VENICE」や「PXW-FX9」など、S-Log3搭載の業務用カメラと合わせた撮影・編集がさらに容易になりました。また、新たにS-Log撮影時の最低ISO感度が640に下がり、さらに拡張ISO感度域を選択できるようになりました。常用ISO範囲の下限値から2段分(ISO160-500)低感度側のISO感度も選択可能。ノイズを軽減した撮影に活用できます。


4:2:2 10bit 記録のHLG(Hybrid Log-Gamma)に対応

HDR対応のピクチャープロファイルとして、広色域のBT.2020カラースペースに対応するHLG(Hybrid Log-Gamma)を搭載しました。撮影した映像をHDR(HLG)対応テレビでHDMI接続し再生することで、カラーグレーディング(撮影後の画像加工処理)をせずに黒つぶれと白飛びを抑えた肉眼に近いリアリティーのある映像が楽しめます。また、本機では10bitの細やかな階調再現性により、従来よりもさらに豊かなで高精細な映像表示が可能です。なお、ガンマは4種類のプリセットから選択可能。[HLG]はITU-R BT.2100相当、[HLG1]、[HLG2]、[HLG3]は従来のカメラの映像表現と違和感を出さずにより広いダイナミックレンジを実現するガンマ設定で、ダイナミックレンジとノイズのバランスがそれぞれ異なり、シーンに合わせた使い分けが可能です。

高画質なスロー&クイックモーション撮影ができる「S&Qモード」

記録した映像をそのままスローモーションやクイックモーションで再生可能なS&Qモードでは、XAVC S-I記録で60p記録設定時、最大ビットレート1200Mbps(4:2:2 10bit、H.264、All-Intra、S&Q設定時)の高画質記録が可能です。フルHD解像度時は240fpsで最大10倍のスロー表現(24p記録)も可能となり、動きのあるスポーツシーンなどを印象的に記録できます。

カメラまかせのフォーカスワークを可能にするきめ細かいAF設定

プロのフィードバックを基に、きめ細かな設定が可能な「AFトランジション速度」と「AF乗り移り感度」を搭載。AFトランジション速度は、映像を見る人の視点を自然に操るラックフォーカスのような演出の際に有効で、「7段階」で速度調整が可能です。「AF乗り移り感度」は、AF対象の被写体を瞬時に切り換えたり、粘り強く追随したりする感度調整が「5段階」で設定できるほか、どちらもあらかじめカスタムキーに割り当てておくことにより、撮影中にも瞬時に設定を切り換えることも可能です。


マニュアルフォーカス中のフォーカスワークもサポート

マニュアルフォーカス(MF)での記録中にも、目的に応じたAF動作でフォーカスワークをサポートします。シャッターボタンの半押しやAF-ONボタンを押し下げることで、静止画撮影時同様に最速で被写体を捉えられます。また、タッチフォーカス操作によるAFとカスタムボタンによるリアルタイム瞳AFは、あらかじめ設定した「AFトランジション速度」に応じたピント送りが可能です。

タッチ操作で直感的な被写体選択が可能

スクリーン上で狙った被写体をタッチし、フォーカスを自動追尾させるタッチトラッキングにも対応。リアルタイム処理に優れた新画像処理エンジンやAI技術を活用したアルゴリズムで、被写体の色、模様(輝度)、距離(奥行)、顔および瞳情報を分析し、被写体を追い続けます。ジンバル撮影時やワンマン撮影時などのフォーカス作業の負荷が軽減され、より構図に集中できます。マニュアルフォーカス中もタッチ操作で一時的にフォーカス動作が可能。また、新たにImaging Edge MobileアプリケーションからリモートでAF中のタッチトラッキングとMF中のタッチフォーカスが可能になりました。

リアルタイムに瞳を検出し続ける「リアルタイム瞳AF」

リアルタイム処理に優れた新画像処理エンジンで、瞳の検出能力がさらに向上。より角度のある横顔や下向き、上向きの顔でも高精度で自動的に瞳にピントを合わせ続けるため、撮影者は構図に集中できます。4K 120p含むすべての動画記録モードで使用可能。静止画同様、タッチトラッキングとの併用にも対応しており、画面内の任意の場所にいる人物をリアルタイムトラッキングで自動追尾し、瞳を認識すればリアルタイム瞳AFでの追随が可能です。静止画同様、瞳の「左右選択」にも対応しています。

手持ち撮影を強力にサポートする高性能手ブレ補正「アクティブモード」

手持ち撮影に特に有効な5.5段分の光学式5軸ボディ内手ブレ補正機能を搭載。カメラに内蔵した高精度な手ブレ補正ユニットとジャイロセンサー、最適化されたアルゴリズムにより、αシリーズボディとしては初めて、手ブレ補正効果を向上させる動画専用の「アクティブモード」に対応しました。リアルタイム処理能力に優れた新画像処理エンジンが、手ブレ量を高精度に検出し光学的に補正することで、4Kを含む各フォーマットで圧倒的に安定した動画撮影が可能。ボディ単体で高い補正効果を得られ、αならではの機動性を損ないません。

進化した静止画性能

■新開発イメージセンサーと新エンジンがもたらす進化した静止画画質

イメージセンサーと画像処理エンジンの両方を新開発したことにより、α7Sシリーズの高感度性能はそのままに、色再現性や質感描写力の向上に加え、新ファイルフォーマットHEIFやHLG静止画モードの搭載などさまざまな進化を遂げました。思い通りの雰囲気に仕上げられる10種類の新たな画像スタイル「クリエイティブルック」など、多彩な新機能を搭載しています。
さらに画質を磨き上げた静止画撮影を実現

新開発CMOSイメージセンサーと新画像処理エンジンの採用により、大幅に画質が向上。センサーの裏面照射構造に加え、画像処理アルゴリズムを新設計し、中高感度でノイズの少ないクリアな解像感と質感の描写力の向上を実現。常用ISO感度は80-102400(静止画時の拡張ISO感度40-409600)と低感度側を拡張し、撮影の自由度を高めたほか、すべての感度域で低ノイズ性能を有するため、広いダイナミックレンジを実現しています。また、新エンジンの優れた処理能力により、被写体のなめらかな階調表現、細かなディテールや質感の再現、より最適な色再現性能を実現。さまざまな被写体に対して、より高画質な静止画撮影が可能です。


高精度で安定した色再現性

新開発の画像処理エンジンがもたらす、高速かつ豊かな画像処理で、繊細で個別に最適な処理が可能となり、α7R IVと比べて色再現性能がさらに向上しました。深みのある赤色やみずみずしい緑色などの自然な表現や、よりなめらかで健康的な人肌の描写が可能になりました。また、異なる光源下でも忠実で安定した色再現も実現しています。さらに、カメラ前面に新たに搭載した「可視光+IRセンサー」によって、通常は難しい蛍光灯やLEDなどの人工光源下でも、より正確なホワイトバランスが得られるようAWB性能も進化しました。


カメラ単体で思い通りの表現が可能な「クリエイティブルック」

撮影する静止画、動画を思い通りの雰囲気に仕上げることができる「クリエイティブルック」を新搭載。全10種類のモードがカメラ内にプリセットされており、ユーザーの好みに合わせた画づくりを選べるほか、選択したモードをベースにさらに独自の画づくりを楽しむこともできます。コントラストがありながら落ち着いた発色と印象的な色味の[FL]や、マットで柔らかな質感の[IN]など、色合い、色の濃さ、明るさ、コントラスト、シャープさなど、多くの要素を組み合わせた多彩なモードを搭載。細やかな調整を行う場合には、画面を見ながらコントラスト、彩度、シャドウなど最大8項目による画像の微調整が可能です。また、自分好みの設定をカスタムルックとして登録することもできます。


α7Sシリーズ初となる像面位相差AFを搭載

高速・高精度な像面位相差AFを搭載。進化した画像処理エンジンとの組み合わせで、イメージセンサーの撮像画面のほぼ全域(約92%)に、α9/α9 IIの693点を上回る759点の選択可能な位相差測距点を高密度に配置しました。広範囲からの膨大な被写体情報を、リアルタイム処理に優れた画像処理エンジンがパワフルに処理し、高精度・高密度に分析。高速性と追随性に優れた位相差AFと、高精度なコントラストAFを併用するファストハイブリッドAFシステムが、複雑な動きやスピードに緩急のある動体も高速に捕捉し、粘り強く追随し続けます。コントラストAF時のエリアは425点です。



約30%性能が向上したリアルタイム瞳AF

α7Sシリーズとして初搭載のリアルタイム瞳AFが、リアルタイム処理に優れた新画像処理エンジンの高い処理能力により、さらに進化。AI技術を活用した認識性能の向上と、ファストハイブリッドAFのアルゴリズム進化により、より角度のある下向き、横向き、上向きの顔に対しても従来システムよりも約30%高精度に瞳を捉えます。リアルタイムトラッキングとの併用で、動きの激しいスポーツなどのさまざまなシーンでも、安定した追尾が可能です。また、動画撮影時にも瞳AF(人物)に対応しています。

リアルタイム瞳AFの動物対応

高度な物体認識技術を用いて瞳を捉え続ける「リアルタイム瞳AF」は犬、猫を中心とした動物の瞳の認識も可能です。あらかじめ検出対象を動物に設定しておくことで、動物の瞳を高速・高精度に自動検出し、追随します。これまでフォーカス枠をピンポイントに合わせることが難しく失敗しがちだった動物の撮影や、ペットの愛らしい瞳を撮影しやすくなります。リアルタイムトラッキングと併用すれば、動きのある動物でも粘り強く追尾可能です。なお、「顔/瞳検出対象切換」をカスタムキーに割り当てることで、ボタンを押すたびに設定画面を開くことなく人物と動物を切り換えられます。

より粘り強く被写体を追尾するリアルタイムトラッキング

AIを活用した「リアルタイムトラッキング」を搭載。狙いたい被写体を指定し、シャッターボタンを半押しするだけで、カメラまかせで自動追尾させることができます。新画像処理エンジンで情報処理能力が向上したことで、狙った被写体をより粘り強く追尾することが可能。観客席が近い室内球技など、認識が難しいシーンでもプレーヤーを捉えて離しません。メニューでタッチトラッキングを設定しておけば、狙いたい被写体をモニター上でタッチするだけで追尾する被写体を選択できます。

最高10コマ/秒の高速連写性能

メカシャッター、電子シャッター問わず、AF/AE追随連写は最高約10コマ/秒、ライブビュー方式では最高約8コマ/秒を実現し、決定的瞬間を逃しません。レスポンスにも優れ、連写中のファインダーやモニターへの表示タイムラグが少なく安定したフレーミングができるので、特に動きの激しい被写体の撮影に有効です。AF-Cかつ連写時に像面位相差AFが使える絞り値の範囲の上限値はF11です。また、像面位相差AFに対応したすべてのEマウントレンズで使用できます。


大容量バッファメモリーによる連続記録

新画像処理エンジンの高い処理性能とバッファメモリーの高容量化、メモリーカードへの書き込み速度の向上で、非圧縮RAW/非圧縮RAW+JPEGの撮影時は1000枚以上になるなど、プロの操作を妨げない圧倒的な連写持続性能を誇ります。新システムの高速処理性能により、連続撮影後のメモリーカードへの書き込み中でも、Fnメニュー上から撮影設定の変更が可能。また、メニュー画面と設定変更、再生画面へのアクセスにも対応しています。

スムーズでレスポンスのよいタッチ操作

リアルタイム処理に優れた新画像処理エンジンにより、撮影時のタッチ操作時のレスポンスも向上し、より直感的な操作ができます。また、撮影画面に「撮影時のタッチ機能」を切り換えるボタンを追加。画面上のアイコンをタッチすることでタッチフォーカス、タッチトラッキング、無効の設定を瞬時に切り換えられます。

ボディデザイン・操作性・信頼性

■プロの求める操作性と信頼性をコンパクトな一眼スタイルに凝縮

α7シリーズの特長である、フルサイズながら小型・軽量のボディを実現しつつ、動画・静止画撮影を問わずプロが求める操作性を追求しました。α Eマウントボディとして初めてのバリアングル液晶モニターや、クラス最高解像度の約944万ドット高精細電子ファインダー、高速書き込み可能な次世代メモリーカードの採用、タッチ対応かつ刷新されたメニュー画面など、プロのワークフローをサポートします。また、カメラとしての機能・性能だけではなくプロの道具には高い信頼性が要求されます。長時間の連続録画を可能にする放熱構造の採用や、フィールドでの過酷な使用に耐えられる防塵・防滴性能など、さまざまな環境で撮影を行うプロのニーズに応えます。

撮影の自由度を高めるバリアングル液晶モニター

α Eマウントボディとして初めて、バリアングルタイプの横開き背面モニターを搭載。横方向に176度、上方向180度、下方向90度と自在に可動するバリアングル機構で、手持ちの動画撮影時、ジンバルに搭載している場合や状況記録用の自撮り、また地面すれすれのローポジションでの迫力ある撮影など、静止画・動画撮影を問わず、状況に応じた自由なポジションやアングルでのフレーミングが可能です。また、約144万ドット、3.0型の大型のタッチパネル液晶を採用。屋外撮影時の視認性に配慮し、屋外晴天モードや手動設定に対応しています。さらに、タッチトラッキングやタッチフォーカスに加え、新たにメニューやファンクションメニューのタッチ操作が可能になりました。

クラス最高解像度の広視野、新開発高性能電子ファインダー

世界初、クラス最高解像度の約944万ドットの高精細OLEDを採用し、接眼光学系や機構も大幅に進化した電子ファインダーを新開発。従来のUXGA Tru-Finderに比べ約1.6倍の高解像度化を実現したほか、 世界最大0.90倍のファインダー倍率、撮影画像の対角視野角約41度(全表示領域では約43度)、25mmのハイアイポイントと周辺までの歪みの低減で、すみずみまでクリアな映像を映し出します。静止画撮影時のファインダーフレームレートを[標準]・[高速]から選択可能。[高速]モードでは、ファインダー内で被写体の動きがよりなめらかに表示されるので、動体撮影時も被写体を追いやすくなります。防塵・防滴性能、表示レスポンスや被写体に応じたモード設定など、全方位でプロのユーザビリティに配慮したファインダーが、撮影を強力にサポートします。

CFexpress Type Aメモリーカードに対応したデュアルスロット

世界初、CFexpress Type AメモリーカードとSDXCメモリーカードに対応したデュアルスロットを採用。スロット1(上)、スロット2(下)ともに、新メディアCFexpress Type AメモリーカードとSDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iの両方に対応しました。大容量のデータをより高速で記録することができます。特にCFexpress Type Aメモリーカードは、連続撮影や高ビットレート4K動画に最適な次世代メディア。その高速書き込み処理性能で、進化し続けるカメラの静止画・動画の膨大なデータ処理においてもバッファ解放時間の短縮に寄与。ゆとりある撮影を実現します。もちろん従来同様、記録メディア設定メニューから、同時記録、静止画/動画や静止画JPEG(HEIF)/RAWなどの振り分け記録の選択や、リレー記録の設定もできます。

ゴミやほこりの除去性能を向上した新アンチダストシステム

イメージセンサーの前面に搭載したフィルターが、70,000回/秒以上の超音波で振動。フィルターガラス面の揺動方法を変更することで、付着したゴミやほこりを効率的に除去します。静止画はもちろん、レタッチ作業への影響が大きい動画撮影時も安心してレンズ交換を行えます。また、電源オフ時にカメラがアンチダスト駆動を自動的に行います。メニューからクリーニングモードを手動で実行することも可能です。

α7S IIIでCFexpress Type Aを使用する場合について

α7S IIIではSDメモリーカード、CFexpress Type Aどちらも使用することが可能ですが、CFexpress Type Aでのみ撮影可能な条件があります。

動画 :4K記録 スロー&クイックモード XAVC S-I記録 フレームレート120fpsの設定時
    FHD記録 スロー&クイックモード XAVC S-I記録 フレームレート240fpsの設定時
静止画:非圧縮RAW形式で1,000枚以上の高速連写


長時間連続録画を可能にする新開発の放熱構造

プロの信頼に応えられるよう、膨大なデータ処理を行う画像処理エンジンやイメージセンサーを含むカメラ全体で、熱の発生を高精度に解析し放熱経路を最適化。αシリーズの特長ともいえる小型・軽量ボディと、放熱性能を両立しています。また、スマートフォンなどにも用いられる熱伝導性に優れたグラファイト素材を、ソニー独自の「Σ(シグマ)形状」に加工し、手ブレ補正ユニットに組み込みました。この画期的な構造により、手ブレ補正時のイメージセンサーユニットの円滑な動作を妨げることなく、本体内の温度上昇の主要因となるイメージセンサーからの発熱に対し、従来の約5倍の放熱効果を得ることに成功。これにより、1時間を超える高精細4K60p動画の記録を可能にしています。


USB PD(Power Delivery)対応による高速充電

αシリーズとして初めて、USB PD(Power Delivery)に対応。より高い電力供給に対応することで、カメラ内のバッテリーを消耗することなく撮影が可能になりました。 USB Type-C端子に接続したUSB PD対応ACアダプターやモバイルバッテリーから、α7R IVと比較して3~4倍の電力で給電またはカメラ内電池の充電ができます。

より防塵・防滴に配慮した設計

多くのプロフェッショナルからのフィードバックを反映し、より防塵・防滴に配慮し随所に工夫を施しました。外装の合わせ目全周や電池蓋にシーリング構造を採用したほか、メディア蓋をヒンジ軸から二重蓋構造のスライド機構とロックレバーの組み合わせに変更し、信頼性を向上。また、レンズロックボタンの形状変更や、マウント周りへのクッション追加など、ゴミや水滴の浸入経路となりえる箇所の構造を見直し、屋外の厳しい撮影環境での使用にも耐えられるようになっています。より一層防塵・防滴に配慮した設計ながらも、従来機から大きく寸法を変えることなく信頼性を確保しています。

高い堅牢性を実現するフルマグネシウム合金ボディ

より堅牢なボディを実現するために、トップカバー、フロントカバー、内部フレーム、リヤカバーに至るまで、軽量かつ剛性の高いマグネシウム合金を採用。高い堅牢性と軽量化を両立しています。また、マウント固定用のねじを6本使用しマウント部の剛性を高めています。超望遠レンズなど、さまざまなレンズの使用に対応しています。

写真作例

フルサイズミラーレス一眼 αシリーズ