近代日本言語史再考〈5〉ことばのとらえ方をめぐって [単行本]
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近代日本言語史再考〈5〉ことばのとらえ方をめぐって [単行本]

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出版社:三元社
販売開始日: 2018/01/26
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近代日本言語史再考〈5〉ことばのとらえ方をめぐって の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    日本において「国語」はあって当然のようにみなされてきた。しかし、多言語社会日本を考える際には、こうした考え方を相対化し、より柔軟な多言語へのまなざしを見出していく必要がある。つまりは、「国語」からはみえないものへの視線をとりだすことが必要とされる。なにかを「とらえる」ということは、意志的なものであり、みたくないものはみない、みたいものだけをみる、ということだ。本書は、歴史的に「みえない」ものとされた、そして現在も日本社会で「みえない」ものとされていることばたちを念頭におき、「みる」側の構図をえがきだす。
  • 目次

    はしがき xv

    序章 「国語」からみえるもの/みえないもの 1
    1 はじめに 1
    2 国語ということば 2
    │2―1│ 制度としての国語 2
    │2―2│ 象徴としての国語 4
    3 国語と国家と政策と―国語調査委員会 6
    4 国語政策と方言、そして多言語性 8
    │4―1│ 多様性のとりこみ方 8
    │4―2│ 社会変動とことばへの関心 10
    │4―3│ 異言語への関心 11
    5 日本語政策 12
    │5―1│ 対外政策から対内政策へ 12
    │5―2│ 「多文化共生」という幻想 14
    │5―3│ やさしい日本語 15
    6 おわりに―多言語へのまなざし 16
    注 17

    第一章 ことばをどのようにみようとしてきたのか―近代日本における「言語学」の誕生 19
    1 はじめに 19
    2 「博言学」ということば 23
    │2―1│ ゴンゴ・ゲンギョ・ゲンゴ 23
    │2―2│ 語源学から博言学へ 24
    │2―3│ 帝国大学博言学科 29
    3 帝国大学言語学 38
    │3―1│ 博言学から言語学へ 38
    │3―2│ 帝国大学言語学 42
    │3―3│ 帝国大学言語学の継承 45
    4 比較言語学への懐疑 48
    │4―1│ 新村出の場合 48
    │4―2│ 時枝誠記の場合 50
    │4―3│ 比較から歴史へ 54
    5 まとめにかえて―日本言語学のもうひとつの形 56
    注 60

    第二章 「言文一致」がみえなくすること─作文・日記・自伝 67
    1 はじめに 67
    2 日記をつけることは伝統か 71
    3 作文教育のあり方 74
    │3―1│ 「日用書類」の作成から「正確ニ思想ヲ表彰」へ 74
    │3―2│ 作文教育と言文一致―上田万年の議論を軸に 78
    │3―2―1│ 『作文教授法』(一八九五年) 78
    │3―2―2│ 「尋常小学の作文教授につきて」(一八九五年) 80
    │3―2―3│ 『普通教育の危機』(一九〇五年) 82
    │3―2―4│ 「現今の作文教授法に就て」(一九〇七年) 84
    4 作文教育の延長としての日記 85
    5 日記教育の事例―南弘の娘の日記 89
    6 おわりに 95
    注 97

    第三章 虐殺とことば―関東大震災時朝鮮人虐殺と「一五円五〇銭」をめぐって 103
    1 はじめに 103
    │1―1│ 流言と「ごく普通」の人びと 103
    │1―2│ 警視庁『大正大震火災誌』 105
    │1―3│ ことばで区別すること 108
    2 証言のなかの「一五円五〇銭」 113
    │2―1│ 手記などのなかから 113
    │2―2│ 「一五円五〇銭」の起源 118
    3 壺井繁治「十五円五十銭」をめぐって 121
    │3―1│ 壺井繁治の関東大震災 121
    │3―2│ 識別法の効果 124
    │3―3│ 後世への影響 126
    4 おわりに―あらたな流言に対処するために 129
    注 132

    第四章 となりの朝鮮文字 141
    1 はじめに 141
    │1―1│ 言語記述という視線の不在 141
    │1―2│ 社会調査の視線と言語記述の不在 143
    │1―3│ 「代用」としての在日朝鮮語 144
    2 関東大震災と朝鮮文字 146
    │2―1│ 平時と非常時のあいだ―「サービス」の朝鮮語と治安対策の朝鮮語 146
    │2―2│ 放火のデマと朝鮮文字 148
    3 男子普通選挙と朝鮮語・朝鮮文字 152
    4 おわりに 158
    注 160

    第五章 朝鮮人の言語使用はどうみえたか―村上広之の議論を中心に 163
    1 はじめに 163
    2 村上広之という人物 167
    │2―1│ 言語政策はどこまで有効なのか 167
    │2―2│ 村上広之の略歴 170
    │2―3│ 村上広之論文の構成 174
    3 村上広之の論理 179
    │3―1│ 「部分的自発的使用」に関して―漢字の読み方 179
    │3―2│ 「全体的自発的使用」に関して―朝鮮語方言化論 184
    │3―3│ 「功利的目的のための手段」としての国語使用 186
    4 おわりに 188
    【参考資料】 190
    資料一 村上広之「朝鮮に於ける国語問題―主として日常鮮語に取入れられてゐる国語について」『国語教育』二二巻八号、一九三七年八月、七四頁 190
    資料二 村上広之「植民地における国語教育政策―主として朝鮮語方言化、国語標準語化の問題について」『教育』六巻六号、一九三八年六月、四三頁 192
    注 194

    第六章 「ひとつのことば」への道からみえるもの―斎藤秀一編『文字と言語』をめぐって 201
    1 はじめに―復刻にあたって 201
    │1―1│ 斎藤秀一の略歴をめぐって 201
    │1―2│ 『文字と言語』講読者一覧 206
    │1―3│ 『文字と言語』に通底するもの 214
    2 方言の問題について 215
    │2―1│ 方言雑誌隆盛の時代に―『文字と言語』以前 215
    │2―2│ 『山形県教育』への寄稿―方言とローマ字 218
    │2―3│ 『文字と言語』へ―方言研究と文字理論の希求 221
    │2―4│ 『文字と言語』と『東京方言集』 226
    3 斎藤秀一の言語観―唯物論言語理論の影響 228
    │3―1│ 方言と標準語・国語との関係―生産諸関係のなかで 228
    │3―2│ 方言認識における唯物論言語理論の受容 230
    │3―2―1│ 「民衆語」と「文章語」そして「国語」と「国際語」 230
    │3―2―2│ 「国際語」としてのエスペラント 231
    │3―2―3│ エスペラントを通じた唯物論言語理論―ドレーゼン『世界語の歴史』 233
    │3―2―4│ スピリドヴィッチ『言語学と国際語』を通じた受容 234
    │3―2―5│ 理論への希求と国際主義の主張 236
    │3―3│ 『文字と言語』のなかの唯物論言語理論 238
    │3―3―1│ つよまる唯物論言語理論への志向 238
    │3―3―2│ エスペラントとローマ字化の関係、言語帝国主義批判の視座 239
    │3―3―3│ 単一を希求することがもたらすもの 241
    │3―3―4│ どの程度共感されたか 243
    │3―4│ 方言研究とエスペラント 243
    4 中国のローマ字運動への関心 246
    │4―1│ ラテン化新文字への理解 246
    │4―1―1│ 注音字母・注音符号と国語ローマ字 246
    │4―1―2│ ラテン化新文字と方言・大衆 247
    │4―1―3│ 斎藤秀一と葉籟士 248
    │4―2│ 中国語学習・『支那語ローマ字化の理論』・ラテン化新文字の紹介 251
    │4―2―1│ 中国語学習の動機と方法 251
    │4―2―2│ ラテン化新文字の理念の紹介へ 253
    │4―2―3│ 魯迅・葉籟士の翻訳―『支那語ローマ字化の理論』 255
    │4―2―4│ 魯迅の翻訳五編 258
    │4―2―5│ 下瀬謙太郎への批判 262
    │4―2―6│ 斎藤秀一とさねとうけいしゅう 269
    │4―2―7│ 日中戦争の衝撃 271
    │4―2―8│ 日本からの発信 273
    │4―2―9│ 相互理解と統一戦線の結成へ 275
    │4―3│ 外国の固有名詞表記の問題 281
    5 斎藤秀一の情報網 284
    6 おわりに 286
    │6―1│ 母語への回帰 286
    │6―2│ 忘却されないために 290
    【付記】 292
    注 293

    第七章 「ことのはのくすし」は何をみていたのか―陸軍軍医監・下瀬謙太郎をめぐって 307
    1 はじめに 307
    2 下瀬謙太郎略歴 311
    │2―1│ 『陸軍軍医学校五十年史』から 311
    │2―2│ 軍医と言語問題―鴎外・戦史・中華民国 313
    │2―3│ 陸軍軍医学校校長(一九一三年~一九二〇年)として 316
    3 中国と医学 318
    │3―1│ 駐清国公使館附医官として 318
    │3―2│ 同仁会について 321
    │3―3│ 「メディカル・ミッション」と中国ナショナリズム 322
    4 言語問題の前線へ 326
    │4―1│ ことばへの興味―ローマ字・カナモジ・エスペラント 326
    │4―2│ 一九二八年の転機 330
    5 中国の文字改革への興味 331
    │5―1│ 中国文字改革関連論文リスト 331
    │5―2│ 遅れる日本での紹介 338
    │5―3│ 集大成としての『支那語のローマ字化をめぐって』 342
    │5―4│ 「満語カナ」への反応―日中戦争後の論調の変化 344
    6 医学用語統一への道 351
    │6―1│ 医学界・国語愛護同盟のうごき 351
    │6―2│ 日本医学会総会の決議とその後のうごき 356
    │6―3│ 敗戦による断絶 362
    │6―4│ 日中医学用語統一論 364
    7 おわりに 371
    【参考資料】 Atarasii Sina no Kokuzi, Rômazi no Mondai (新しい支那の国字、ローマ字の問題)(Simose Kentarô)『Rômazi Sekai』一八巻一二号、一九二八年一二月、八―一一頁(原文日本式ローマ字) 375
    注 380

    第八章 漢字廃止論の背景にみえるもの―敗戦直後の労働争議とからめて 391
    1 はじめに―敗戦直後の漢字問題 391
    │1―1│ 「漢字を廃止せよ」の文脈 391
    │1―2│ 再開する国語審議会 393
    │1―3│ 「国語民主化」をめぐる言説 394
    2 「漢字を廃止せよ」と『読売報知』 396
    │2―1│ 読売新聞と読売争議 396
    │2―2│ 前後の社説 398
    3 「漢字を廃止せよ」の内容 400
    │3―1│ 民主化を阻害する漢字 400
    │3―2│ 漢字の非能率と盲教育―日向利兵衛と平生釟三郎 401
    │3―3│ 漢字と封建制と左翼ローマ字運動事件―高倉テルから片山睿へ 402
    │3―4│ ローマ字採用論へ―アメリカ式能率と民主主義 406
    │3―5│ 渡辺一夫の疑義 407
    4 「漢字を廃止せよ」のゆくえ 409
    │4―1│ 「民主読売」の論調 409
    │4―2│ 第二次読売争議のあと 411
    【付記】 412
    注 414

    第九章 スターリン言語学からみえるもの―民主主義科学者協議会編『言語問題と民族問題』をめぐって 419
    1 はじめに 419
    2 スターリン「言語学におけるマルクス主義について」 421
    │2―1│ その内容 422
    │2―2│ その反応 424
    │2―3│ マルの受容 430
    │2―3―1│ 戦前の場合 430
    │2―3―2│ 一九五〇年のマル紹介 433
    │2―3―3│ 例外的影響―唯物論的言語理論と大島義夫(高木弘) 437
    3 模倣されるスターリン 440
    │3―1│ 『言語問題と民族問題』 440
    │3―2│ 石母田正論文について 442
    │3―3│ 大島義夫論文について―転向しないソビエト言語学者 448
    │3―4│ タカクラ・テル論文について―「生産者大衆」を信じた男 450
    4 おわりに 452
    注 456

    終章 「やさしい日本語」がみおとしているもの 465
    1 はじめに―社会変動と言語 465
    2 語られない多言語社会 470
    │2―1│ 移民社会論の問題 470
    │2―2│ 多言語社会にとっての「やさしい日本語」 474
    3 「やさしい日本語」は使われるのか 479
    │3―1│ 公文書翻訳の問題 479
    │3―2│ 「直ちに影響はない」ということ 481
    │3―3│ 「日本語を知る」ということ 482
    4 おわりにかえて 484
    注 485

    あとがき―初出一覧 489
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    安田 敏朗(ヤスダ トシアキ)
    1968年神奈川県生まれ。1991年東京大学文学部国語学科卒業。1996年東京大学大学院総合文化研究科博士課程学位取得修了。博士(学術)。一橋大学大学院言語社会研究科教員
  • 出版社からのコメント

    歴史的、そして現在も日本社会で「みえない」ものとされた/されていることばたちを念頭におき、「みる」側の構図をえがきだす。
  • 内容紹介

    日本において「国語」はあって当然のようにみなされてきた。しかし、多言語社会日本を考える際には、こうした考え方を相対化し、より柔軟な多言語へのまなざしを見出していく必要がある。つまりは、「国語」からはみえないものへの視線をとりだすことが必要とされる。
    なにかを「とらえる」ということは、意志的なものであり、みたくないものはみない、みたいものだけをみる、ということだ。本書は、歴史的に「みえない」ものとされた、そして現在も日本社会で「みえない」ものとされていることばたちを念頭におき、「みる」側の構図をえがきだす。
  • 著者について

    安田敏朗 (ヤスダトシアキ)
    1991年 東京大学文学部国語学科卒業
    1996年 東京大学大学院総合文化研究科博士課程学位取得修了。博士(学術)
    現在 一橋大学大学院言語社会研究科教員
    [著書]『植民地のなかの「国語学」』(三元社、1997)『帝国日本の言語編制』(世織書房、1997)『「言語」の構築』(三元社、1999)『〈国語〉と〈方言〉のあいだ』(人文書院、1999)『近代日本言語史再考』(三元社、2000)『国文学の時空』(三元社、2002)『脱「日本語」への視座:近代日本言語史再考Ⅱ』(三元社、2003)『日本語学は科学か』(三元社、2004)『辞書の政治学』(平凡社、2006)『統合原理としての国語:近代日本言語史再考Ⅲ』(三元社、2006)『「国語」の近代史』(中公新書、2006)『国語審議会』(講談社現代新書、2007)『金田一京助と日本語の近代』(平凡社新書、2008)『「多言語社会」という幻想:近代日本言語史再考Ⅳ』(三元社、2011)『かれらの日本語』(人文書院、2011)『日本語学のまなざし』(三元社、2012)『漢字廃止の思想史』(平凡社、2016)他共著など

近代日本言語史再考〈5〉ことばのとらえ方をめぐって の商品スペック

商品仕様
出版社名:三元社
著者名:安田 敏朗(著)
発行年月日:2018/01/31
ISBN-10:4883034542
ISBN-13:9784883034543
判型:B6
発売社名:三元社
対象:教養
発行形態:単行本
内容:日本語
言語:日本語
ページ数:492ページ
縦:19cm
その他:ことばのとらえ方をめぐって
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